Photoshopの3D機能が国内向けに本格対応

アドビ システムズ デジタルイメージング製品担当 栃谷宗央氏

次に、アドビ システムズ デジタルイメージング製品担当の栃谷宗央氏が登壇。Photoshop CCは2014年1月に3Dプリントへ対応し、米国の「Shapeways」が提供するオンライン3Dプリントサービスとの連携をスタートさせていたが、日本国内のサービスとの連携を求める声が非常に多かったことを明かした。また、アドビ システムズがDMM.makeをパートナーとして選んだ理由としては、品質、サービス内容、価格の面でベストだったということだ。

続いて、先日リリースされたばかりの「Photoshop CC 2014」を使ったデモンストレーションが行われた(今回の連携機能は従来の「Photoshop CC」でも利用可能)。デモンストレーションでは、最初に3Dプリンター向けの「STL」や「OBJ」など6種類の3Dデータを読み込めば、Photoshop内で3Dデータを扱えることを強調した。

プロファイルを組み込むと、「プリント先」で「DMM」が選択できるようになる

その下のメニューからは、材質やカラーを指定できる

さらに3Dオブジェクトにテクスチャを設定したり色を塗ったりできることを説明したのち、「プリント先」の選択メニューに今回の主役である「DMM」が選択肢として追加されていることを紹介。加えて、利用可能な材質やカラーが多彩に用意されていること、仕上がり具合を事前にプレビューできること、DMM.makeへのアップロードが簡単なことなど、ユーザーエクスペリエンスにも優れている点に言及。最後に、「Photoshopの中でDMMさんの3Dプリントサービスを選択でき、そのまま素材やカラーを指定でき、注文までの連携が取れているのはとても素晴らしく、当社としても個人的にも今回の提携を非常に嬉しく思っている」とコメントし、場を締めくくった。

3Dプリンタの歴史や市場の現状を開設

ケイズデザインラボ 代表取締役社長 原雄司氏

続いて、ケイズデザインラボの代表取締役社長 原雄司氏が、3Dプリンターの歴史や市場などついての講演を行った。同社が関わってきた数多くの3Dプリントサービスの事例を紹介したほか、3Dプリンタの歴史、世界と日本の市場比較、過去の3Dプリンタブームと現在のブームのきっかけ、金型と比較しての優位点、将来の市場予測など、古くから3Dプリンタに関わってきた同氏ならではの、興味深い話がテンポ良く展開された。

「過去のブームと現在のブームの違い」について同氏は、安価なものが出てきたこと、インターネットが普及しデータの流通手段が確立したことで、個人でも作れるようになったことなどを挙げた。最後に「多くのクリエイターが利用しているPhotoshop CC(2次元)と、ものづくりのプラットフォームが融合することによって、これまで2Dしか扱わなかった人が3Dに触れることで3Dデータを作成できるクリエイターが増え、それにともなって3Dプリンタの普及することを期待したい」と述べた。