最終日には、ヤフーで執行役員 検索サービスカンパニー長を務める宮澤 弦氏も来校。生徒たちが授業を通じて学んだ検索サービスから、新たなサービスを考え出してプレゼンテーションする様子を見守った。

ヤフー 執行役員 検索サービスカンパニー長 宮澤 弦氏(左)

プレゼンを真剣に聞く生徒たち

最終プレゼンの前の授業で中間レビューがあり、ヤフー社員によるアドバイスを受けて自分たちの考えをブラッシュアップしたという生徒たち。中には、がらっと発表内容を変えたチームもいたようで、社員も驚きを見せていた。

検索することでペットを育成するサービスや大学のサジェスト検索サービスといった学生らしい考え方のサービスがある一方、おでかけ先情報サービスといった汎用的なサービスの提案もあった。

1班

2班

3班

4班

5班

6班

7班

そんな中で優秀チームに選ばれたのは「Yahoo! ロコ」と「リアルタイム検索」のコラボレーションサービス「なかどこ」を提案したチームだ。受賞理由としては、社会人になると目的地に合わせて交通費を出すことをいとわなくなる一方で、学生の「少ないお小遣いの中でやりくりするために、友達が住んでいる場所との中間の駅や地域を知りたい」という発想がヤフー社員にはなかなかできなかったことを挙げていた。

なお、本来であれば1チームのみの選出であったが、「良いと思ったサービスがもう1つあった」(宮澤氏)として簡単なキーワードを入力するだけで、遊びのプランを提案してくれる「メクプラ」を提案したチームに特別賞が贈られた。こちらも「お小遣いが少ない」という点を理由にサービスを考えていて、両チームともに「学生らしさ」と「Yahoo!の検索サービス」を上手く組み合わせたところに受賞のポイントがあったようだ。

「なかどこ」を提案したチームの生徒に「なぜこのようなサービスが思い浮かんだのか」とたずねると、「最後にYahoo! ロコの講座があり、その時に私立ならではの特有の事情が頭に浮かんだ」と話してくれた。私立であるため、遠方から新幹線で通う生徒もいるなど、友達が遠く離れて住んでいるケースが多いのだという。そこで「パッと真ん中(の駅、地域)で会えたら良いよね」ということで、このサービスが浮かんだようだ。

また、自分たちのことを「元から、可愛い雑誌とか買うような普通の女子高生じゃない」と話し、「奇抜な子が多いチームだった」と自分たちを茶化す言い方も。ただ、はたから見ていても、そういう人間だからこそ面白いサービスの発想ができるものだと感じるチームのメンバーであった。

なかどこチーム

メクプラチーム

検索サービスカンパニー長の宮澤氏は最後に、中高生達の授業を見て「新しいサービスを生み出そうという脳のトレーニングになったのではないか。新しいモノを生み出すプロセスは、社会人になってから体験するものだが、中学3年生~高校1年生の時期に体験できるということはなかなかない。そういう意味ではお役に立てたと思う」と話し、生徒たちの経験になったと感じたようだ。

一方でヤフーにとっても授業から得られたものは大きいと話す。

「生徒たちからもらった意見は、そのままサービスに昇華するのではなく、根源的なものを見いだして、これまで見落としてきた価値があるんじゃないかという視点で見させてもらった。対応した方が良いというものはやっていきたいと思う。それに、今回ヤフーのサービスに触れてもらえたことも良かった。3年後には大学生になる子供たちに、ヤフーのサービスをもっと使ってもらえるようにしていきたい」(宮澤氏)

Yahoo!の「Y」のポーズで記念撮影をしたあと、"講師"であったヤフー社員にお礼をする生徒たち