ともかく、結果、優勝したのは友達同士で参加していた中学2年生の男子コンビ(画像14・15)。実はこの2人、2013年12月に開催された第1回 科学の甲子園ジュニア全国大会の優勝チームである滋賀県代表チームのメンバー。実際、科学の甲子園第1回のエキジビションマッチにおいて高校生チームが出した優勝タイムと遜色ないどころか、早いぐらいだったというほどで、実はスーパー中学級の少年たちなのだ。

画像14(左):優勝チームの中2コンビ。優勝賞品は、学研「大人の科学マガジン PLUS+」。画像15(右):準優勝チーム。当初は予定のなかった賞品、科学の甲子園のイメージキャラクター「アッピン」のレアなヌイグルミをゲット

ちなみにこの少年たち、何がすごいかというと、数学が大好きで、学校で数学クラブを作ってしまったほど。日々、難しい問題に挑戦しているという。ちなみに、彼らが暇つぶしに持ってきたのが、PSPでもニンテンドー3DSでもなく(もちろんスマホでもない)、ルービック・キューブ! 何でも、色がバラバラの状態から6面を完成させるのに現在は世界記録は5秒台(!)だそうだが(物理的になぜそんなタイムで可能なのか筆者には理解不能)、彼らはさすがにその域までは到達していないとはいうものの、それでも最短タイムは2分ほどだという。

しかも、説明する言葉ももはや中2レベルではなくて、通常の1面が3×3のルービック・キューブと、中央が空いているタイプの2種類を持ってきていたのだが、通常タイプはどっちのアルゴリズムの方が得意で、こっちはもう1人の方のアルゴリズムの方が…、などといった具合で話をするので、もう、信じられないというレベルである。中2でアルゴリズムとかの言葉を普通に使っているのだ。筆者の中2の時を思い起こせば、教室で机を障害物に見立て、自分自身がボトムズのATになって友達とバトリングごっことかやってたし(当然ローラーダッシュやアームパンチの口サウンドエフェクトつき)、余っているミニテストの用紙を使って紙飛行機を折って●にマイナスの入ったマークを書き込んで用紙が白いのをいいことに「俺のは白いからVF-1Jね」とかいってたことを考えると、世界が違う(笑)。

実際、筆者が適当に回してバラバラにしたのに、虎の巻なんぞ見ずに、2人ともシャカシャカと回している内に、あっという間に完成させてみせた。頭にどこをどうそろえてどう回転させればそろうかという、本当にアルゴリズムが入っているのだ。筆者の子供時代もブームで、虎の巻を持っていたが、出だしの1面そろえてそこに接する4面を凸形に色をそろえるところまでしか覚えられなかった(笑)。ちょっと、別格である。

例えていうなら、Jリーグの下部組織の逸材が、サッカー体験教室に参加しちゃったような感じで、もはや反則じみているといえばいいだろうか? ちなみに将来、何か解いてみたい数学の問題とかあるのか聞いてみたら、難しいことをいわれすぎて、理解できなかった(申し訳ない)。もう、真面目な話、大学の数学科の先生には今から彼らにつばをつけて青田買いしておいた方が良いレベルなので、この記事を読んでいただいている大学関係の方が居たら、今から研究室に加えてあげてください。たぶん彼ら、将来すごい研究を成し遂げると思います。

というわけで、5位まで発表されたのだが、5位は女の子組(画像16)。お年頃の女子にとって、電子ブロックのような電子玩具は興味の対象として一番遠い部類だと思うのだが(筆者の娘も、機械類はスマホや携帯と、せいぜいノートPCぐらいだ)、アレルギーも出さずに堂々5位に入賞するのだから、やっぱり理系女子だなぁと感心させられた。

画像16。5位の女子チーム

優勝チームの2人のコメントだが、画像14右側のO君は「慣れてない電子ブロックでの作業だったのでちょっと戸惑ったところもありましたが、うまくできてよかったです」、左側のM君は「問題は難しかったのですが、優勝することができてよかったです」とコメント。準優勝の2人は、画像15の右側のN君は、「やはり慣れてないので難しかったのですが、とても面白くて、またやってみたいなと思いました」、左側のN君(2人とも名前はな行)は、「ペアのN君ががんばってくれたので(この場でコンビを組んだ初対面チーム)、こんなすばらしいものをもらえました(笑)。ありがとうございます」とした。とはいえ、いくらレアであっても、男子がアッピンのヌイグルミをもらっても、ちょっと微妙な気がしないではない(笑)。