では、具体的な検証内容を見ていこう。検証の手順は次の通りだ。
- プライマリストレージとセカンダリストレージのレプリケート設定
- VMware ESXiでプライマリストレージの共有をマウントし、仮想サーバを稼働
- プライマリストレージからセカンダリストレージへのフェールオーバー
- VMware ESXiでセカンダリストレージの共有をマウントし、仮想サーバを稼働
- セカンダリストレージからプライマリストレージへのフェールバック
以下、主なスクリーンショットを交えて、検証の様子を解説していこう。
プライマリストレージとセカンダリストレージのレプリケート設定
まず、プライマリストレージとセカンダリストレージ間でのレプリケート設定を行う。レプリケートを行うReadyDATA同士の認証のため、お互いの証明書を登録する。管理画面にログインして、[Replicate]→[証明書]をクリックすると、証明書のキーが表示される。このキーをレプリケートするストレージ同士で登録する。[クリップボードにコピー]をクリックすると、ローカルの証明書をクリップボードにコピーすることができる。 セカンダリストレージであるRD5200の証明書をプライマリストレージのRDD516に登録するには、「+」のアイコンをクリックして、[キー]の部分にRD5200の証明書を貼り付ければよい。そして、RD5200側にも同じように、RDD516の証明書を登録する。
レプリケートするストレージ間の証明書の登録が完了すれば、レプリケートジョブの設定を行う。[Replicate]→[ジョブ]→[新しいジョブ]で、複製元のボリュームと複製先を指定する。複製先に指定するためにはあらかじめ証明書の登録が完了していることが必要となる。
レプリケートジョブのスケジュール設定で、[Continuously]を選択すると、ほぼリアルタイムでレプリケーションが可能になる。
レプリケートジョブの設定が完了すると、以下のようにジョブの状態を確認できるようになる。
ジョブの状態における「Delta」は、プライマリストレージとセカンダリストレージの同期状態のずれを表している。スクリーンショットでは、Deltaが15秒となっている。これは、この瞬間にプライマリストレージがダウンすると、直前15秒分の変更内容はリプリケートされないということだ。
VMware ESXiでプライマリストレージの共有をマウントし、仮想サーバを稼働
次に、VMware ESXiホストからNFSでプライマリストレージRDD516の共有をマウントして、その上で仮想サーバ Vserver01(Windows Server 2008 R2)を稼働させている。
仮想サーバVserver01では、デスクトップ上に最初は「test_001」のフォルダがある。その後、新しく「test_002」のフォルダを作成し、フォルダ内にテキストファイルを2つ作成している。
プライマリストレージからセカンダリストレージへのフェールオーバー
セカンダリストレージのRD5200では、プライマリストレージと同期している共有をVMware ESXiからNFSでマウントできるように設定する。RD5200にログインして、[共有]からレプリケートしている「Rep_RDD516_nfs」を選択して、NFSアクセスを有効にすればよい。その後、プライマリストレージの障害を想定してRDD516をシャットダウンした。
このとき、以下のメッセージが表示される。
これは、プライマリストレージとセカンダリストレージ間で設定しているレプリケートジョブの削除を促すメッセージだ。セカンダリストレージでシステムを運用中にプライマリストレージが復旧した場合でも、データの整合性を取るために既存のレプリケートジョブは削除しておいた方がよい。