昨今、企業が取り扱うデータのバックアップや、基幹システムの保護に関心が集まっている。企業のシステム管理者ともなれば、災害時に業務を止めないため、DR(Disaster Recovery)対策を検討している方も多いだろう。そんなDR対策のために、ネットギア社のReadyDATAによるレプリケーション機能は大きな威力を発揮する。
ReadyDATAには、ある拠点のストレージが利用できなくなったときのDR機能として、ReadyDATA間のレプリケート機能を搭載している。 このたび、ネットギア社の協力によって、ReadyDATAのDR機能を検証する機会を得たので、以下2点の特徴をもとにその様子をレポートしよう。
ReadyDATAのレプリケート機能の主な特徴
- ブロックレベルのレプリケートがスケジュールまたは、継続的に実施可能
- フェールオーバー、フェールバックともに差分データのみ転送するための高速な処理が可能
NASを他拠点に設置し、データのバックアップを行われている企業ユーザの方は多いと思われるが、実際にメイン拠点のデータやNASが利用できなくなった場合を想像してほしい。障害が発生した際、多少の不便さがあっても一時的にリモートサイトのデータを使用する分には問題は起こらないかもしれない。しかし、リモートサイトで更新されたデータをメインのサイトへ反映する場合、どのような手順が必要になるか想定しているだろうか。 ネットギアのReadyDATAはこのような問題を簡単に解決できる方法としてフェールバックの機能をReadyDATA OS 1.4から利用できるようになっている。
ReadyDATAのDR機能を検証
検証の概要
今回は、ネットギア社のオフィスにて、ReadyDATAのレプリケート機能によるフェールオーバーとフェールバックの動作検証を行った。 まず、検証を行ったシステム構成を紹介しよう。プライマリストレージとしてRDD516を利用し、セカンダリストレージとしてRD5200を利用している。接続は、広域イーサネットを想定した同一サブネットのイーサネット接続だ。 RDD516とRD5200に共有を作成し、ReadyDATAのレプリケート機能でほぼリアルタイムに同期を取るようにする。そして、VMware ESXi上でプライマリストレージの共有をNFS(Network File System)でマウントし、データストアとして利用する。そのデータストア上でWindows Server 2008 R2の仮想サーバを稼働させるというシステム構成だ。
フェールオーバーの検証では、プライマリストレージが利用できなくなった場合を想定して、VMware ESXiからのマウント先をセカンダリストレージの共有に変更する。プライマリストレージがダウンしたときの状態から、これまで通り仮想サーバを利用できることを確認する。
そして、プライマリストレージが復旧したら、マウント先をプライマリストレージの共有に戻してフェールバックさせる。フェールバック後、セカンダリストレージで稼働していたときの仮想サーバでの変更がきちんと反映されていることを確認する。