共同創立者のマクガウン氏がOpenStack Daysで講演

東京エレクトロンデバイスは、2014年2月13~14日に開催された「OpensStack Days Tokyo 2014」にブースを出展し、Piston OpenStackを来場者に紹介した。またPistonの共同創設者兼チーフサイエンティストであるクリストファー・マクガウン氏が来日し、「OpenStackにおける、迅速なアプリケーション開発とその展開について」と題した講演を行った。

Piston Cloud Computing 共同創設者兼チーフサイエンティスト クリストファー・マクガウン氏

同氏は米Rackspaceの出身。また、Pistonのもう1人の共同設立者でCEOのジョシュア・マッケンティ氏はNASAの出身である。RackspaceとNASAの共同プロジェクトとしてスタートしたOpenStackには、両氏ともエンジニアとして参加していた。マッケンティ氏は、現在もOpenStackの委員を務めており、Piston製品と共にOpenStack自身も発展させていきたいとしている。

今回の講演でマクガウン氏は、主な聴講者である開発者向けのプロダクトとして同社が開発したオープンソースの「Farmboy」を紹介した。これは、アプリケーションを開発し、OpenStackクラウドに展開するための開発環境だ。

「最近注目されているDevOpsという考え方は、開発者と管理者が一緒に成し遂げるという面で非常によいことですが、簡単ではないでしょう。開発環境に展開するということと、本番環境に展開するということは、同じ難易度ではないからです。さらに既存のツールは、どちらかと言えば管理者のニーズにフォーカスしており、開発者のほうには向いていません。開発者の意図が、常に反映されるわけではないというのが現状です」(マクガウン氏)

マクガウン氏によれば、OpenStackも同様であるという。

「開発者は、PuppetやChefのようなツールは用いず、脆弱性の残されたDevStackを使っています。しかし、もっと一貫性が高く、再現性があって、まったく同じメカニズムでコミュニケーションができるツールがあれば、管理者にとっての状況は好転するはず。それがFarmboyです」(マクガウン氏)

Farmboyはシンプルなツールとライブラリで構成されており、RAD(Rapid Application Development)と高速な展開を可能とし、Pythonコードとして使うことができる。ソフトウェアが運用管理者の代わりに働いてくれるため、開発者が運用面を担うことも可能になるという。

マクガウン氏の講演後、東京エレクトロンデバイスのブースには大勢の聴講者が集まり、説明員にさまざまな質問を投げかけていた。マクガウン氏もブースに顔を出し、握手を交わしたり、質問に応えたりして多くの開発者と交流。同社とPiston OpenStackに対する関心度の高さが垣間見えるイベントとなった。

東京エレクトロンデバイスのブース