全15チームの発表を終えた後、休憩を挟み表彰が行われた。

「インパクト賞」「技術賞」「UI・デザイン賞」「Happy Hacking賞(投票賞)」「最優秀賞」の5部門が設定されており、それぞれに副賞としてTポイントとYahoo!ロゴ入りマウスが贈呈された。

インパクト賞はチーム(仮)の「出前の錬金術師」で、ディープモーションを利用した点が評価された。一方、技術賞はチームMK Soundsの「Everyday Night Fever !! Phase II」が受賞。音楽だけではなく、映像処理技術を利用して臨場感を創出したほか、操作UIが「Hack U」のものよりも進化していた点が評価されていた。

また、UI・デザイン賞では、チームA++の「AIAI」が受賞。洗練されたアプリデザインだけではなく、「シチュエーションとテクノロジーを上手くマッシュアップさせている」(審査委員)ことが評価されたという。

このイベントではUstreamによる生中継が行われており、Facebookページ上での投票による「Happy Hacking賞」が設定されていた。同賞の受賞者はチーム愉快なかまいたち★「SyllaBase -Academic Curation Service」で、学生の悩みを解決できる点が評価を集めていたのではないかと審査委員は分析。「ニュース以外のデータも引っ張ってこられたら良いかもしれない」とのアドバイスも贈っていた。

最後に最優秀賞を獲得したのは、チーム鉄板座談会「Aina」。その高い完成度だけではなく、発想やUIといったアプリ/サービス開発の原点の部分でも各審査員から高い評価を得ていたという。こちらは副賞のTポイントとYahoo!ロゴ入りマウスだけではなく、ヤフー本体の開発イベント「Open Hack Day Japan」への招待権も贈呈された。

最後に改めて総評として登壇したヤフーの村上氏は「1万人規模の小さいサービスから、100万人規模の大きなユーザー数を狙える社会的な課題解決を図るサービスまで様々なものが出てきたことが嬉しい。どちらか片方をやればいいというものではなく、両方を見ることが大事」と、学生が固定化された考えではなく、柔軟性を持った開発を行ってきたことを評価。

その一方で、「自分では凄いアイディアだと思っていても、日本では5人、世界では100人が同時に同じ事を思いついている。いかに速く思いついて世の中に出せることが重要」とのアドバイスも。

「考えている間は、世の中にインパクトは与えられていない。世の中に出してこそのものなのに、ネガティブな反応におびえて出さなかったらそれはゼロでしかない。ネガティブなもの、ポジティブなものとどちらも合わせて世の中にインパクトを与えるということが重要だ。そして今日、あなたたちはインターネットの世界にインパクトを与えた。このことを誇りに思ってほしい」(同氏)

村上氏はInter Hack Uについて今後も継続していきたいという考えを示す。開発者だけではなく、学生に「インターネットにおけるモノづくりの楽しさ」を知ってもらうためにヤフーとしてやれることをやっていくという村上氏の意気込みは、将来の「科学技術創造立国日本」の在り方を変えていくのかもしれない。