パッケージならではの課題を解決したマニュアル作成の豊富なノウハウ
キリンビジネスエキスパートは、新会計システムの導入プロジェクトでエル・ティー・エスが短期間で効果的なサポートデスク支援を行ったことを高く評価。別の標準システム導入プロジェクトである、人事系システムのグループ展開でも、エル・ティー・エスにエンドユーザー向けの説明会、マニュアル作成、サポートデスクなど教育領域全般の支援を委託したのである。
対象となったシステムは、ワークスアプリケーションズのパッケージソリューション「COMPANY 就労」(勤怠情報管理)と「COMPANY WEB SERVICE」(個人情報申請・照会)だ。このシステムをグループ標準としてキリンビバレッジとメルシャンに先行導入するプロジェクトが進められていたのである。
しかし、メルシャンでは、これまで勤怠や個人情報の管理をWEBで行う経験がなかったため、導入期の混乱が予想された。また、プロジェクトのスケジュール上、システム開発が短期間のうちに進捗する中で変更が多数発生すると見られることから、開発状況に関する体系的な情報も不足していた。
こうした課題を受けてエル・ティー・エスは、対ユーザーのコミュニケーション窓口として支援を展開していく。ユーザー向け説明会、マニュアル、サポートデスクという各施策での、ユーザーへの効果的な情報発信の方法を検討。また、それらを実施するためにプロジェクト内の関係者へ効率的にヒアリングを行い、必要な情報については関係者間で合意形成を図り、ユーザーに提供したのだ。
キリンビジネスエキスパート 人事サポート部 担当部長 辻井一郎氏は、エル・ティー・エスの一連の支援展開について次のように評価する。
「実は、サポートデスクの設置と操作マニュアルの作成については社内で賛否両論ありました。“そんなもの必要ないんじゃないか”という声も一部では存在しました。しかし結果的にどちらもやっておいて正解でしたね。自社開発の業務システムであれば、仕様が固まってからマニュアルを作成するのが一般的ですが、COMPANYのようなパッケージシステムの場合、ユーザーが自ら業務に合わせて設定を変更できるので、仕様が確定するタイミングがありません。稼働しながらでもどんどん仕様が変わっていきますからね。しかし、稼動前にマニュアルが準備されていなくてはなりません。そこで、設定を担当しているチームにエル・ティー・エスのスタッフが文字どおりリアルタイムでヒアリングを行い、最新の情報を反映し最適なタイミングでマニュアルを作ることできました」
高いコミュニケーション力でプロジェクト全体を円滑化
人事系システム刷新プロジェクトでは、エル・ティー・エスの支援を受けることで、ユーザーに発生しうる課題を先読みして広範囲にわたり情報を整理し、各教育施策に反映することができた。また、積極的な情報収集と発信により、ユーザーへの的確なフォローとプロジェクト負荷の低減を達成したのである。
システムの本稼働前には各事業所担当者を集めた説明会を実施。そこで行ったシステムのデモに使われる資料と画面による説明シナリオもエル・ティー・エスが作成した。
「あの説明会で現場に安心感が伝わったのが、成功の要因だと考えています」と辻井氏は強調する。
また、新システム稼働後には、操作方法だけではなく、旧運用とシステム仕様の関連についての確認など、幅広い問合せが発生したが、エル・ティー・エスのサポートデスク・スタッフが一次窓口となり情報を集約。各チームと連携して課題への対応策を検討して、迅速な問い合わせ対応を実現した。
「エル・ティー・エスにシステム展開支援をお願いして特に感動したのが、当社に来てくれるスタッフのコミュニケーション力の高さです。短い期間でのプロジェクトでチームが円滑に使命を果たすためには、なんといってもコミュニケーション力が肝になります。エル・ティー・エスのスタッフは、プロジェクトの一員として、全体の信頼関係を構築するのに大きく貢献してくれました。プロジェクトの中でシステムを作る側というのは機能毎にチームが分かれており、他のチームが何をやっているのか見えづらいものです。そうした中でエル・ティー・エスのスタッフが、『この要件はどうなるのか?』と、問題をかなり先取りして聞いてくれましたので、そうした内容がプロジェクトのメンバー全員に伝わることで風通しがとても良くなりました。それともう1つ、エル・ティー・エスのスタッフのプロジェクトを引っ張っていく姿勢にもとても助けられました。『ここでこれができてないといけないのでは』と率直に発言して良い意味でのプレッシャーをかけてくれましたから。まさに陰のプロジェクトマネージャーと言っていい働きぶりでしたね」(辻井氏)
一連のプロジェクトを振り返り筒井氏は、エル・ティー・エスへのさらなる期待を示す。「業務とITの両方に精通し、ユーザー教育の計画から実行までをサポートしてもらえるのは非常に心強いです。これまではシステムの分野ごとにコンサルタントを“住み分け”ていたのですが、2つのプロジェクトを見ていて意識が変わりました。もっと様々な分野でエル・ティー・エスに協力をお願いできないか目下検討中です」