ソフトバンクグループ通信3社2万名へ導入、2013年度中に移行を完了予定
ソフトバンクテレコム株式会社 ITサービス開発本部サービス推進統括部サービス推進室 竹下和臣氏 |
ソフトバンクテレコムは、法人向けのクラウド型シンクライアントサービス「ホワイトクラウド デスクトップサービス」での正式採用にあたっては、製品のカスタマイズが必要だったが、同社、アシスト、Ericom社の3社間でWeb会議を行うなどして、順調に商用化に向けた調整が進んだという。ソフトバンクテレコム株式会社 ITサービス開発本部サービス推進統括部サービス推進室 竹下和臣氏は、その状況を次のように語る。
「認証方式やライセンス体系など当社が希望する仕様を満たしていただく必要があったのですが、アシストは営業、技術部門ともにレスポンスが速く、Ericom社ともダイレクトにやり取りができ、かつ柔軟に対応してくれたので、もろもろ進めやすかったです。当社の「雲人」やデバイスとしてのiPhone、iPadともよく調和し、技術的に気に入っていたので、Ericom社の知名度がどうかという点はまったく気にならなかったです」
2013年7月現在、Ericom Blazeはソフトバンクテレコム、ソフトバンクモバイル、ソフトバンク BBのソフトバンクグループ通信3社約2万名のユーザ環境に適用されることが決定しており、以降、クライアントOSがWindows 7に切り替わるタイミングで環境を移行。計画では2013年中にこの移行を完了する予定になっている。
ソフトバンクテレコム株式会社 ITサービス開発本部サービス推進統括部サービス推進室 佐藤信也氏 |
それと平行し「ホワイトクラウド デスクトップサービス」を実現する技術の1つとして商用化もスタート。今後、このサービスを採用する企業はもれなくEricom Blazeの性能を享受することになる。ソフトバンクテレコム株式会社 ITサービス開発本部サービス推進統括部サービス推進室 佐藤信也氏は、完成したサービスのセールスポイントを次のように語った。
「Ericom Blazeを導入したことで、RDP通信部分に当社のサービスならではの価値が付加でき、ほかのクライアント仮想化ソリューションと差別化することができたと思います。また、コスト的にもこの製品自体が安価なため競争力のあるものになり、自信を持ってグローバル・ベースで企業にお勧めすることができます」
デスクトップを仮想化し、スマートデバイスを活用することで、場所を選ばない革新的なワークスタイルが現実のものになると竹内氏は強調する。
「人が仕事場に縛られなくなります。すでに当社はそうなりました。どこにいても同じ効率で働けるので、どこで仕事をしようがまったく関係ありません。先行利用ユーザである我々の部門では、仕事を進めるスピードもワークライフ・バランスも大きく向上しました。このメリットは業種に関係なく享受できるものであり、将来的には100%の企業がそのように動くと確信しています」(竹内氏)
ソフトバンクテレコムは、Ericom Blazeの導入により仮想デスクトップの仕組みをさらに進化させ、自ら先駆者となり、ワークスタイルの変化がもたらす、場所に依存しない理想の働き方を世の中に伝え始めた。
文:吉田育代