USBにつなげば終わるほど簡単なインストール
さてそのPioneer Kitであるが、こんな感じ(Photo01)。中身はシンプルである。ソフトウェアやドキュメント類はオンラインのみでの提供となっており、なのでボードとケーブルのみである。
Photo01:パッケージはDVDケースよりやや横幅がある程度。重さは非常に軽い |
Photo02:本体の他にはUSBケーブルと、後はジャンパピンが6本ほど同梱されているだけである。もっともCD-ROMとか付いていてもどうせオンラインから最新版を入手することになるので、無駄を省いたという点では好感が持てる |
ソフトウェアのインストールは後にして、まずはボードの状況(Photo03)をチェック。表面は両端にI/Oピンがあり、さらに写真で右端には同社のCapSense(容量式タッチセンサ)評価用のエリアも用意されている。I/OピンはArduinoと互換性があり、実際Arduino Uno用のShieldはそのまま搭載できる(Photo04)。これにより、Arduino用のシールドがそのまま流用できるよう配慮されている。裏面は特に何も搭載されて(Photo05)いないが、ゴム足がついているので、作業机の上で滑りにくいのは好感が持てる。
Photo03:ちなみにUSBコネクタはMicroUSB |
Photo04:これはChipinoのProto-Shield。Arduinoの上にそのまま小型のブレッドボードを載せたものだが、PSoC 4 Pioneer Kitにも向いている気がする |
Photo05:ピン番号が記載されているのも地味に便利だが、配線をした後でひっくり返してピン番号を確認するのが困難という罠。2枚以上Pioneer Kitを持っていれば、片方を常にひっくり返しておくという案はある |
さてそのPioneer Kit、構成そのものはこちらのProduct Brief、あるいはこちらのGuideを読んでいただくのが良いが、PSoC 4(Photo06)とは別にPSoC 5 LP(Photo07)が搭載されている。この手の開発ボードでは複数のMCUが搭載されており、しかもしばしばターゲットとなるMCU(Pioneer Kitの場合で言えばPSoC 4)よりも高性能なボードが搭載されている事そのものは珍しくない。これらはターゲットMCUへのプログラムのロードやデバッグのサポートのために搭載されているのだが、Pioneer KitではこのPSoC 5 LP側もある程度ユーザーが使えるようになっているのはちょっと珍しく、この結果後述するようにデバッガとUSB-UARTなどを共存できるという便利な仕様になっているのはうれしい所だ。
さて、この状態でPioneer KitにUSBケーブルを繋げ、USBポートあたりにつなげると、Photo03で右上にあるLEDが点滅を始めるはずだ。これはいわゆる「Lチカ(LEDチカチカ)」のサンプルプログラムがあらかじめロードされているからで、USBに接続すると電源が供給され、このLチカプログラムが動き出すという訳で、ここで点滅が始まればボード側の準備は完了である。一旦USBケーブルをPCから抜いて、次はソフトウェアのインストールである。
そのソフトウェアの方であるが、こちらのページの下のほうにダウンロードすべきファイルへのリンクがある(Photo08)。幾つかファイルがあるが、筆者の場合" CY8CKIT-042 Kit Setup (Kit Design Files, Creator, Programmer, Documentation, Examples)"をダウンロードしてインストールした。インストールは特に難しいところはなく、インストーラを立ち上げて"Install CY8CKIT-042 PSoC 4 Pioneer Kit..."を選ぶだけである(Photo09)。選択としてはInstall Typeを選ぶ程度(Photo10)で、あとはWizardの指示通りにしてゆけば、勝手にインストールしてくれる(Photo11)。