仮想化環境に最適なネットワークと
リソース管理製品で運用管理コストを削減
富士通では仮想化環境に最適なネットワーク、ストレージ基盤、リソース管理ソリューションを提供している。
ダイナミックリソース管理を実現する「Server View Resource Orchestrator」は、サーバ/ネットワーク/ストレージ/OSなどのICTリソースの一元管理と運用の統一を行うものだ。
標準化されたテンプレートで多階層システムを一括配備するなど、構築期間を短縮したり、リソースプール全体を管理して、中から有効リソースを最適な形で割り当てたりといった機能を提供する。運用を標準化/自動化することで、インフラの運用管理コストの低減に貢献するというわけだ。
一方、仮想環境のネットワーク層を担う富士通製コンバージド・ファブリックスイッチ「Brocade VDX series」は、イーサネット・ファブリックを構成するものである。複数のスイッチを"ひとかたまり"と見なすことで、設定管理を容易にする特性を持つ。基本設定さえすれば、ファブリックに接続するだけで設定情報が自動的に伝搬される。これにより、サーバ拡張時にはネットワークも柔軟に拡張できる。
仮想化統合基盤を支えるのは
スケールアウト型ストレージ
2013年2月にIDC Japanが公開した「国内企業のストレージ利用実態に関する調査2013年版」では、サーバ仮想化環境におけるストレージの課題トップ10項目のうち、8項目が「ストレージの運用・管理」に集中していることが明らかになった。中でも「データ量の増大(41.7%)」や「ストレージのI/O性能の向上(29.6%)」は、ストレージを選択するうえで重要な要素となる。
また、「障害発生時の問題箇所の特定が困難」「管理者のストレージスキルの不足」「バックアップデータの増大や作業負荷の増加」などといった項目からわかるとおり、少ない"頭数"でさまざまな作業をこなさなければならないのが現状のようだ。
荒木氏はこうした課題を解決するためには、運用性が高く、かつ柔軟な拡張性と高信頼性を備えたストレージが必要だと説く。そしてその"解"となるのが仮想化環境向けストレージの「ETERNUS VX700 series」であると強調した。
「ETERNUS VX700 series」の最大の特徴は、必要な機能が標準で実装済みであることと、直感的なGUIを採用していることである。ストレージに関する知識がなくても簡単に操作でき、シンプルなダッシュボードで、ストレージ容量やボリューム管理ができる。例えば初期導入設定操作は、4ステップで完了する。
また、すべてのストレージ容量を1つのストレージプールとして管理することで、ストレージの空き容量を共有し、効率的に利用できる。もちろん、ストレージプールの容量を増設する際に、サーバ・アプリケーションの設定変更は不要だ。
さらにシン・プロビジョニング技術や、複雑な性能設計を不要とするワイドストライピング技術も備える。これにより従来の特定ディスクへのアクセス集中による性能低下といった課題も克服している。
荒木氏は、「こうした機能は、システムの"新陳代謝"に役立つ」と説明する。一般的にハードウエアの利用サイクルは5年と言われているが、サーバのリプレース時にはデータの移行やシステムの切り替えといった作業が発生していた。
「その点、スケールアウトストレージは基本ノードを導入してから5年の保守期限に合わせて新しいノードを追加し、全体にストレージプールを拡張してデータを分散させればよい。最終的に基本ノードの領域を拡張し、ノードそのものを破棄する。つまり、ハードウエアのライフサイクルに合わせてデータを移行する手間がない。これは顧客の投資を保護するといった観点からも、従来のストレージにはなかったアドバンテージだ」(荒木氏)
このように設計不要の「ETERNUS VX700 series」だが、富士通では「ストレージ最適化アセスメント」サービスも実施している。これは、顧客のサーバ・ストレージ環境を総合的に分析し、既存システム環境の課題やリプレースに伴う最適な機種選択の提案を行うものだ。なお同サービスでは、他社のサーバ/ストレージも分析の対象とするという。
最後に荒木氏は、「従来と比較し仮想化ストレージは、その"有り様"が変化している。ミッションクリティカルでパフォーマンスが必要な領域においても活用されるようになり、今後も増加するだろう。また爆発的に増え続ける非構造型データのスケールアウトと運用簡素化の要求もさらに増すだろう。そうした現代の要件を満たした盤石なICT基盤を提供することで、人々が安心して暮らせる豊かな社会(ヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティ)の構築を支援したい」とかたり、セッションを締めくくった。