インストールできるコンピュータに制限はある?
続いて、両者の使い方の違いを見ていこう。パッケージ版では、インストールできるPCは2台まで。最初にOSを選んで購入するため、使用途中でMacからWindowsに変更するような使い方はできない。一方、Creative Cloudでは、2台のコンピュータまでインストールが許可されており、インストールするOSもMac、Windowsを問わない。もちろん同時起動はできないし、2台目のコンピュータでアプリケーションが使用できるのは、1台目にライセンス認証をしたユーザーに限定される。しかし、Mac/Win両方をダウンロードして1台ずつインストールすることは可能なので、自宅ではMac、会社ではWinと異なるOSを使っていても、両方の環境にAdobeのアプリケーションがあるという状態を作ることができる。
また、パッケージ版とCreative Cloudのどちらを購入しても、インストールするアプリケーションの取捨選択はユーザーの自由で、直近の実務には必要ないアプリケーションはインストールしなくてもOK。Creative Cloudでは、使用中にアプリケーションのバージョンアップがあった場合は、それから1年間の間は古いバージョンのアプリケーションをそのまま利用できる。Master CollectionはアプリケーションがDVDとして手元にあるため、コンピュータにトラブルがあってもすぐに再インストール可能。アプリケーションをアップグレードしても、古いバージョンをそのまま残して使い続けることができる。
Creative Cloudの特長として先に紹介したクラウドストレージは、1アカウントあたり20GB(個人用)が割り当てられている。このストレージにInDesignやIllustratorなどで作成したドキュメントをそのままアップし、レイヤー構造などまでプレビューして中身を確認することができる。今はドキュメントをDropboxやEvernoteといったクラウド上に保存することは日常茶飯事だ。しかし、InDesignやIllustratorのデータをそのままアップしても、プレビューを見たり、レイヤーのオン/オフを切り替えるなどのファイル操作はできないし、ドキュメントを見てコメントをつけると言った共有機能までは持っていない。こうした面から見ても、Creative Cloudのクラウドストレージ機能が他のファイルストレージとは違った経緯から生まれたものと分かる。単なるストレージではなく、仕事の活性化ツールとしての働きも期待できそうだ。