皆さんは「Windows Storage Server 2012」をご存じだろうか。

日本マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 Windows Server製品部マネージャー 藤本浩司氏

同製品は、マイクロソフトのパートナーが提供するネットワーク接続ストレージ(NAS)製品上で高いパフォーマンス・信頼性・スケーラビリティが得られるよう、Windows Server 2012のストレージ機能をハードウェアパートナーのハードと組み合わせて最適化された製品である。

本誌は、好調なセールを続けるWindows Storage Serverの最新版である、Windows Storage Server 2012が、どのような特徴・機能を備えているか、そして、ストレージに対する要求が年々高度化する中堅中小企業に対しどのようなメリットをもたらすのかについて、日本マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 Windows Server製品部マネージャーの藤本浩司氏に話を聞いた。

大幅な機能強化により、より魅力的になった、「Windows Storage Server 2012」

Windows Storage Serverは、マイクロソフトがハードウェアベンダー向けにOEM提供している、OSとハードベンダーのハードウェアを組み合わせた、NASアプライアンスだ。中堅中小企業向けから大企業向けまで、様々なものが提供されている。

Windows Storage Server 2012は製品名のとおり、Windows Server 2012をベースに構成された最新バージョンとなるもので、2012年11月より同OSを搭載したNAS製品が各社から販売されている。

Windows Storage Serverが中小企業向けに好調な理由について、藤本氏は次のように説明する。

「Windows Storage Serverは、2000年にWindows 2000ベースのWindows Powered NASをリリースして以来、ベースとなるWindows Serverがバージョンアップされるたびに、基盤技術の刷新と機能追加・拡張を重ねながら進化しています。お陰様で出荷数も毎年大きく伸びています」(藤本氏)

Windows Storage Server 出荷数の遷移

ご承知のとおり数年来、企業が業務で扱うデータは大容量かつデータ・タイプの多種化が進み、ユーザーのストレージに対するニーズは増大かつ高度化している。藤本氏によれば、とりわけ中堅中小企業の場合、サーバーやストレージシステムの必要性は理解しているが、IT予算や人員の制約からサーバーを導入しているところは依然として少数派であり、「USB接続の外付けHDD、家庭用の低価格NASや無償で提供されているクラウドのストレージサービスなどを利用し、急場をしのいでいるところも少なくない」(藤本氏)という。

そうした中小企業が抱える制約のなかで、ストレージ・ニーズに応えることができたのがWindows Storage Serverだ。藤本氏は、Windows Storage Serverが出荷台数を伸ばし続けている理由について次のように説明する。

「中堅中小企業でWindows Storage Server が選ばれている理由は、5つあります。まず、1つは、PCで慣れ親しんだWindowsのユーザー・インタフェースによる操作性、管理性です。2つ目は、Windows Serverに必要な、Windows クライアントアクセスライセンスが必要ないため価格を抑えることができること、3つ目は、アプライアンスなので最適化されており購入してすぐに利用できること、4つ目はハードウェアパートナー各社から数多くの製品が提供されており、様々な販売店経由で購入ができること、そして5つ目がWindows Storage Serverが提供する魅力的な機能や拡張性です。これらが好調な販売につながっています」(藤本氏)

すなわち、Windows Storage Serverの優位点としては次の5つが挙げられるようだ。

  1. PCで慣れ親しんだWindowsのユーザー・インタフェース
  2. Windows クライアントアクセスライセンスが必要なし
  3. アプライアンスなので最適化されており購⼊してすぐに利用可能
  4. 用途に応じて選択できる、豊富なラインナップ
  5. 重複除去、仮想ディスクなどWindows Storage Server 2012の新機能

これらのうち、特に注目したいのが、5つ目のWindows Storage Server 2012の新機能である。次章より、数多くの新機能/機能強化が施されたWindows Storage Server 2012の"実力"と"魅力"についてつまびらかにしていく。