本誌はこれまで、『SMBのための、UPS導入ポイント講座』においてUPSの導入意義や製品の選び方、さらに最新の管理ソフトウェアに備わる主な機能を解説。さらに、別レポートにて、シュナイダーエレクトリックの「Smart-UPS」シリーズに製品に備わる最新機能をひととおり紹介したうえで、電源障害対策はもちろんのこと、電力コストの削減をはじめとした電源管理の効率化までも実現できることを説明してきた。
また、実際に筆者のオフィスにSmart-UPS SMTシリーズのUPSを導入し、その設定方法や電源イベント発生時の動作などについてもレポートしている。
こうした一連の記事によって、おそらくUPSというハードウェアおよびSmart-UPS シリーズに関してはおおむねご理解いただけたと思う。そこで今回は、製品選びを左右するもう1つの重要な要素「サポートサービス」に焦点を当て、特徴を解説することにしたい。
"万が一"の場面でも安心な手厚いサービス&サポート
そもそもUPSは、一度設置して電源管理ソフトで動作を設定してしまえば、その後の日々の運用ではそれほど特別な対応は必要ない。また、非常時を想定した機器であるため、IT機器の中でも極めて信頼性の高い堅牢なものとなっている。しかし、非常時に確実に稼働してもらわなければならないものであるからこそ、万全を期した内容のサポートが必要になるとも言える。
シュナイダーエレクトリック ビジネスデベロップメント HBNビジネスデベロップメントマネージャーの神谷誠氏 |
シュナイダーエレクトリック ビジネスデベロップメント HBNビジネスデベロップメントマネージャーの神谷誠氏によると、「UPSのトラブルで最も多いのが、バッテリに関するもの」だという。
UPSを構成する主要なモジュールであるバッテリは消耗品であり、シュナイダーエレクトリックのSmart-UPSではバッテリの交換時期を知らせる機能を搭載している。しかし、なかにはUPSが発するバッテリ寿命のアラートを無視、もしくは気づかずにそのまま2年3年と放って置いたまま使用し続けてしまうユーザーいるようだ。そうなると、稀にではあるが、バッテリが膨張してUPS本体から抜き出すこともできないといった事態が発生してしまう。
UPSまるごと交換もサポートの範囲内
ここで問題になるのが製品保証サービスの内容である。通常、バッテリが抜けないとなると、買い替えという選択肢を採らざるをえない。しかし、シュナイダーエレクトリックのユーザーであれば、UPS本体を無償でまるごと交換してもらうことができるのだ。
Smart-UPS SMT/SMXシリーズの場合、無償保証期間が2年、製品保証延長サービスに加入した場合は6年、まるごと交換をはじめとする様々なサービスを無償で受けることができるのである。バッテリの寿命は運用形態にもよるが通常2年以上はあるので、製品保証延長サービスへの加入はぜひとも行っておきたい。
4時間以内にエンジニア派遣も可能
また、UPS本体を交換するとなると、接続している機器をシャットダウンして停止した上で、機器を切り離す作業が発生してしまう。このような大掛かりな作業になると、やはりプロのエンジニアに任せたいところだろう。その場合に役に立つのが、シュナイダーエレクトリック指定のエンジニアが直接利用者のもとへと赴いて作業を行う「オンサイトサービス」だ。
オンサイトサービスはサービス受付時間や現地作業時間などに応じて3つの種類に分かれるが、なかでも「4時間オンサイトサービス1年」の場合、サービス受付時間は24時間365日、コールセンターでの障害切り分け確認後4時間以内にエンジニアが現地に到着するという非常に手厚い内容となっている。オンサイトサービスは全国どこでもカバーしており(離島などは別途相談)、年間サービスの他に、スポットで提供するサービスも用意されている。
バッテリ引き取りにも対応
さらにシュナイダーエレクトリックは、新しいバッテリの購入時に古いバッテリを引き取ってくれるサービスも無償で提供している。通常、寿命が尽きたバッテリは産業廃棄物に分類されるため、廃棄するには相応のコストが生じてしまうことからも利用者にとって有難いサービスだと言える。
さて、ここまで充実したサービスの提供は、シュナイダーエレクトリックにとってリスクとならないのか。その背景について神谷氏は、次のように説明する。
「まず、製品に自信があるからこそ、万が一の場合のために手厚いサービスをご用意できるということがあります。UPSというのはもしもの時の保険として導入することが多いですから、信頼性が高いということは大前提です。しかし、いざ不具合が生じてしまった時は迅速な復旧が求められますので、お客様の事情に合致した対応ができるよう、サービスのメニューを充実するようにしています」
また、電源管理ソフトウェアの設定方法など、UPSの使用に当たってわからない点が生じた場合には、加入しているサービスにかかわらずシュナイダーエレクトリックのコールセンターのスタッフが親身になって説明してくれる。同社コールセンターのサポート担当は、製品の知識だけでなく、さまざまなOSやネットワークの知識もトレーニングによって身に着けているため、対応できる範囲も非常に広くなっているのである。