大事なデータを守る多彩なバックアップ方法

データの基本的な保存先としてTS-869 Proを選択したならば、その大切なデータをいかに守るかということも考えなくてはならない。内蔵HDDの破損や人為的ミスによるデータの消失、停電や天災といったリスクもある。そうした問題からデータを守るには、バックアップが重要だ。

QNAPでは、多彩なバックアップ方法に対応している。目的にあわせて使い分けたり組み合わせたりすることで、データを破損や消失から守れるだろう。

たとえば今現在QNAPの内部にあるものを、ほかのHDD等へコピーしておきたいならば「USBワンタッチコピー」が便利だ。本体フロントに備えられているUSBポートを利用してHDD等を接続し、ボタンを押すだけでバックアップできる。QNAPから接続したHDDにバックアップするだけでなく、接続したHDDをQNAPにバックアップすることもできる便利なボタンだ。

本体前面左下のUSBポートから簡単にバックアップが行える

定期的なバックアップを行うならば、バックアップ先となる外部ストレージを背面のUSBポートに接続すればよい。毎時、毎日、毎週、毎月といったスケジュールはもちろん、分単位での周期的なバックアップもできる。QNAP内部のデータが更新されるたび、リアルタイムにバックアップさせることも可能だ。この方法は、内蔵HDDの破損や人為的ミスへの対応を考えた時に便利だ。ある程度間隔をあけてバックアップするように設定すれば、うっかり削除してしまったり、上書きしてしまったデータなども取り戻せる。

事故や災害に備えたいならば、遠隔地にあるNASや再同期サーバにデータをコピーする、リモートレプリケーションがよいだろう。IPアドレスでサーバを指定してスケジュールに従ったバックアップを行うため、バックアップ先が非常に遠くにあっても問題ない。遠隔地に拠点がある場合、これを使えば支社の持つデータを本社でもバックアップしておくというような使い方もできる。

本体のすぐ横に外部ストレージを設置してのバックアップだと、その拠点が災害に見舞われた場合にデータが丸ごと失われてしまうが、遠隔地に保存してあれば守られる可能性が高くなる。BPOを考えるならばぜひ利用したい機能だ。

バックアップメニューには多彩なバックアップ方法が並ぶ

クラウド連携でより安全なバックアップを実現

よりデータを守り、かつ自由に活用したいと考えるユーザーのために、最新の「QNAP Finder」ではバックアップ機能がより強化された。バックアップ先に、クラウドストレージが指定できるようになったのだ。

先に紹介したリモートレプリケーションでも災害に備えることはできるが、思いがけず広範な被害が出る災害だった場合にはバックアップ先でもデータが失われることになりかねない。また、データ自体は守られていても交通機関の麻痺等で技術者がバックアップ先にかけつけられず、せっかくのデータが迅速に活用できないということにもなりかねない。

ところがクラウドサービスならば、ネットワーク環境さえあれば利用可能だ。災害時にもいち早くデータにアクセスできる。また、通常時でもクラウド上にデータがあることで、オフィス外からでもデータが参照可能になる。出張中のホテルや自宅、外出中のカフェからでもデータが見られることで、ビジネスの効率化やテレワークの実現にも貢献する機能だ。

利用できるクラウドサービスは「Amazon S3」、「ElephantDrive」、「Symform」等。特に「Symform」は無料で200GBという大容量が利用できるから、クラウドバックアップを体験したい場合や、まずは気軽に使い始めたい場合にお勧めだ。無料とはいえ、分散型のリアルタイムバックアップが使えるので障害性がしっかり確保されているのもうれしい。

利用方法は簡単だ。「QNAP Finder」で「バックアップ」にある「クラウドバックアップ」クリックし、タブの中から「SYMFORM」を選択する。「今すぐ開始する」のボタンを押したら、クライアント機能がインストールされるのでしばらく待とう。インストールが完了するとブラウザが起動し、「SYMFORM」初期登録ウィザードが始まるので必要事項を入力していこう。基本的には画面の指示に従って指定するだけで利用可能になる。

豊富なクラウドサービスと連携できるTS-869 Pro

ウィザードで各設定を行うだけで利用することが可能になる

P2P方式でリアルタイムにデータを分散バックアップする「SYMFORM」と連携することで、より強力な冗長性と利便性を持たせることができる

クラウド連携も可能な高機能ストレージ「QNAP」はNASの決定版

駆け足だったが、TS-869 Proがいかに高性能で使いやすいNASであるかお分かり頂けたかと思う。豊富な機能を使いこなせば、中小企業はもちろん、セキュリティ要件が厳しかったり、データ管理に細かな規定を設けたりしている組織にも十分に応用が効く優れたストレージソリューションを受けることができる。

また、クラウドサービスか物理ストレージか決めかねている企業にとっても、両者のバランスをうまくとりながらの運用が可能な点は、意思決定にも好影響を与えてくれるはずだ。

蓄積されるデータがあらゆる可能性を生むことは、全ての企業にあてはまる。そんな大切なデータを効率よく管理していく、あるいはクラウドへの移行など将来性も見込みつつソリューションを導入していきたいと考えている管理者や経営者も多いだろう。TS-869 Proはそんな悩みやニーズをすべて満たしてくれる製品として、自信を持ってオススメできるNASだ。

■QNAP Systems Inc.

QNAP Systems Inc.は、台湾台北市に本社を置くNAS分野のリーディングカンパニーです。バックアップセンター、ディザスタリカバリ、ファイル共有など、信頼性の高いストレージ機器へのニーズが高まっている昨今、高速・高機能を特長とするQNAP NAS製品は、特にSMB・SOHOユーザーの間で世界的に認知される存在になっています。 テックウインドは早くからQNAP NASの優位性に着目し、日本市場に紹介して来ました。

協力 : テックウインド株式会社