企業にとって常に悩みとなっているのが、日々貯まり続けるデータの保管だ。巨大なストレージを用意する必要があったり、クラウド上のストレージサービスを利用したり、現在では様々な方法があるが、どれも初期コストやランニングコストに課題が見え隠れしてしまう。特に中小企業になるほど、ストレージを維持するためのコスト負担は大きくなる。
この課題をどのように克服するか。QNAPの「TS-869 Pro」を例にひとつの解決策を紹介していこう。
省スペースで実現する超高性能NASサーバ
企業向けのNASはグループ単位を使うコンパクトタイプから、ラック式のNASサーバまで幅広くある。しかし大型のものはコスト面に、小型のものは機能面に課題が生まれがちだ。中小企業がNASを導入する場合、価格と機能のバランスに悩むことが多いだろう。
クラウドサービスを利用するのも1つの解決方法だが、こちらは毎月のコストがかかる。大容量を確保しつづけるとなると大きなコストになるが、どの程度の容量を確保すればよいのか判断するのも難しい。
そこで中小企業に勧めたいのが、中規模で比較的安価なNASを導入して自社運用し、クラウドサービスもうまく活用するという方法だ。この要求に応えてくれるのが、中規模企業向けのハイエンドNASサーバ、QNAP「TS-869 Pro」だ。
185.2(H)×298.2(W)×235.4(D) mmのコンパクトな筐体に、8ベイが収められているこのNASサーバは、プロセッサにインテルAtom 2.13GHz Dual-core、メモリも1GB搭載しているハイパフォーマンスモデルだ。設置場所を選ばない省スペース性と、高性能を両立ていることが魅力。
ホットスワップに対応しているので、例えば4台のサーバからNASの運用を始め、システムを止めること無く必要に応じてストレージを追加していくといった使い方もできる。HDDにハードウェア的なトラブルがあった場合でも、容易な交換も可能だ。HDDを自分で逐次追加するため、安価に購入したHDDを利用できるのもうれしい。
HDDを複数台搭載したときに行えるRAIDボリュームは、RAID1、5、6、10となっており、RAIDレベル移行や予備ドライブのRAID構成なども行える。この柔軟なRAID設定もTS-869 Proの強みだろう。USB 3.0、eSATAポートが搭載されており、データの高速転送もおこなえる。
機械的なベイ開閉口のロックや、セキュリティロックケーブルの取り付け口なども搭載されているので、きちんと運用する限り万全の体制を取ることができるのも強みだ。コンパクトなNASだけに、こうした機能が充実しているのは管理面で負担を減らしてくれるはず。ハードウェア的な特長を見ても、運用性の高さをうかがい知ることができる仕様といえる。