レーザープリンタについては、2011年度のコンセプトとして「省スペース・省電力・省力化」という3つの「省」がキーワードとして挙げられた。従来機種と比較して38%の体積削減や、消費電力の35~66%削減など具体的な数値も示された。省力化については、感光体の交換を不要とし、トナーをインストールした状態で出荷することで利用開始時の労力を軽減している。
新機種のラインナップは、同社初となるA4モノクロ複合機「LP-M120」と、A4モノクロFAX複合機「LP-M120F」、国内最小クラスだというA4カラーFAX複合機「LP-M620F」とA4サイズが3機種用意されている。A3サイズは2機種ともモノクロプリンタで、29PPMの「LP-S2200」と32PPMでより高度な機能にも対応する「LP-S3200」だ。
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カラープリンタはテキストや線をクリアに出力し、画像をスムーズに表現するという。モノクロプリンタは、カラードキュメントをモノクロプリントした時の見やすさにこだわっている。
セイコーエプソン 情報画像企画設計第一統括部 副統括部長の高畑俊哉氏は、「ステップ1として初回ドライバ同梱でカラーテキストをモノクロでもグレーではなくブラックで表現するモノクロ視認性向上機能を提供。これはA3の両機種に対応する。また、12月にはLP-S3200向けのみとしてカラー部分を強調表現したり、グラフの塗り分けをパターンで表現するステップ2を提供する。LP-S3200には、これまでプリンタにあまりなかったジョブスキップ機能も搭載されている」と、オフィスでの利便性を向上させる機能について語った。
新ジャンルにもチャレンジし、シェア拡大を狙う
同社が今後ターゲットとする市場は、SOHO・企業オフィス・バーチカル・官公庁だ。今回のリリースによって、A3サイズのインクジェット、A4サイズのレーザーという、同社がこれまで注力してこなかったジャンルに製品が投入され、多くの需要に応えられるようになった。
エプソン販売 取締役 販売推進本部長の中野修義氏は、「目標はA4インクジェットのビジネス利用は、Colorioのビジネス利用も含めて50万台、シェア50%を目指す。A4ページプリンタは16万台、シェア30%。A3インクジェットに関しては、これまでブラザーしか存在しなかった市場に、エプソンが加わることで市場拡大ができると考えている。その中で台数目標6万台、シェア51%を狙いたい」と語った。
ラインナップ拡充によるシェア拡大については「すでに7月にA4のページプリンタを発売したが、その1機種のみでシェアが顕著に伸びた」と、中野氏は手応えを語っている。