実際に利用してみると、スタンバイ中はほぼ無音といっていいほど音がしなかった。印刷時にはモーター音がするものの、紙送りの音などは気になるほどではない。レーザープリンタとしてはかなり静かといっていいだろう。スペック表によれば、稼働時の平均音は52dB以下だという。
デスクトッププリンタとしてうれしいのは、熱風が吹き出さないことだ。レーザープリンタをデスクサイドに置いたことのある人ならば、印刷時にサイドスリットなどから吹き出してくる熱風に不快な思いをした経験があるだろう。熱を感じるほど近くに設置していなくとも、近くの紙やホコリが風に吹かれて扱いづらいというケースはよくある。
しかし、LP-S120はサイドスリットを吸気にのみ使っているため、手をかざしてもわずかに涼しいような感じがする程度で風が感じられない。排気は上部から行われているが、ここも風が出ているとわかるほどではない。ただし、排気口部分はかなり熱くなるから、ここはきちんと空間が確保できるように設置しよう。
印字速度は1分あたりA4で24枚。トナー交換を行ってから最初の電源投入時には長めに待ち時間が発生するが、通常時は電源投入後のウォームアップ時間は25秒以内だ。使う時に電源を入れるという使い方でも、特に不都合を感じることはないだろう。
大量印刷をしないユーザー向けの使い切りプリンタ
前世代機であるLP-S100と比較すると、LP-S120の考え方が非常にわかりやすい。LP-S100は本体サイズ的にはかなり近いものであるが、トナーカートリッジはごく一般的な横型であり、交換用の感光体ユニットも存在する。つまり、ある程度ユーザーがメンテナンスしながら利用するという一般的な考え方の製品だ。これに対してLP-S120は小さなボトル型のトナーを抜き差しするだけで利用できる。インクジェットプリンタよりも扱いが簡単なくらいだ。
一方で、感光体ユニットを交換しながら利用するLP-S100は寿命が長いともいえる。2万枚ごとに感光体ユニットを交換することで、本体は18万ページの印刷に耐えるように作られているのだ。これに対して感光体ユニットを交換できないLP-120は耐久性が3万枚だ。だいぶ少なく感じられるが、耐用年限はどちらも5年。つまり、大量出力する層ではなく、たまに沢山印刷するユーザーや、一気に印刷する回数は少ないが高速プリントが必要なユーザーに向けて作られたのがLP-S120なのだ。3万枚というのは、月あたり500枚ということになる。1日あたり16-7枚というのが目安になる。
感光体ユニットを交換して長く使えないのはもったいないようでもある。しかしA4ページプリンタの廉価なものは、本体価格がかなり値下がって行くのに対して、消耗品の価格が変わらず、感光体ユニットとトナーをセットで購入すると本体価格になってしまうというケースが少なくない。
普段はカラー印刷が多かったり、印刷そのものをあまり行わないという中小企業でも、請求書だけはレーザープリンタで出力したいというケースは多いだろう。正式な書類だけはレーザー出力したいというような需要もあるはずだ。そうした、大量印刷はしないけれどレーザーの出力結果を必要としているユーザーにはお勧めのモデルだ。
■試用機の仕様 | |
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「Offirio LP-S120」 | |
LED走査+乾式二成分電子写真方式 | |
A4~A5、封筒、ハガキ、不定形紙 | |
600dpi(600×600dpi)、1,200dpi(1,200×1,200dpi) | |
24枚/分(A4) | |
なし | |
普通紙最高150枚、封筒5枚 | |
USB 2.0 | |
Windows XP/Vista/7/Server 2003/Server 2008、Mac OS X 10.4.11以上 | |
W358×H208×D197mm/約4.6kg | |
オープン、Epson Direct SHOP価格は14,980円 | |
トナーカートリッジ、電源コード、マニュアル、保証書等 |