Windows Azure コンピューティングの利用と運用
契約を終えたら、Windows Azure の利用準備を進めることになる。
図2は、配置環境(Hosted Service)を表示した例だ。
先ほどはラックと例えたが、実際はロードバランサーなどもビルトインした高級ラックと言った感じだろうか。
この例では、上から証明書(Certificates)、本番用環境(Production)、確認用環境(Staging)に設定及び配置を行った状態になっている。もし、本番用環境と確認用環境が存在しない場合は、課金は発生しない。逆に言えば、ここに表れている場合はどんな状態だろうが課金されていることになる。
ホスト名についてだが、Azureでは「_sample_.cloudapp.net」になる。カスタムドメイン名を使用したい場合には、自前のDNSにCNAME(別名)の設定が必要だ。なお、「_sample_」部分の文字列については、自分自身で決められるようになっている(ただし、他のユーザーが利用しているものは使用できない)。
証明書についてだが、Azureでは「*.cloudapp.net」用のSSL証明書は準備されていないので、SSL(https)を使用する場合には、証明書を準備し、ここに配置すると共にサービスパッケージへの設定が必要だ。証明書を購入する際には、複数マシンに導入可能な「クラウド」対応ライセンスを使うように注意されたい。
本番用環境と確認用環境の使い分けだが、まず、サービスパッケージを確認用環境に配置し、一通りの動作確認などを行った上で、上部の「Swap VIP」を押すと本番用環境と入れ替わる仕組みになっている。なお、入れ替わり中でもサービスダウンタイムが無いよう工夫されているので安心だ。
続いて、Visual Studioで配置用のパッケージ作成である(図3)。
ここでは、「サービスパッケージだけを作成」と「Windows AzureプロジェクトをWindows Azureに配置します」が選択できるようになっている、前者はパッケージ(インストール媒体の様な物)のみを作成し、実際の配置は管理ポータルからアップロードして行うパターン。後者は作成から配置までがVisual Studioで完結するパターンだ。
筆者のような開発者兼ITProの場合は、後者でも構わないと思われるが、開発者とITProが役割分担されている様な組織の場合には、前者のパターンで運用する事になるかと思う。
SQL Azureの利用と運用
Windows Azure Platformの特徴の1つである、SQL Azureの利用法にも触れておこう。
図4はAzure管理ポータルでSQL AzureサーバとDatabaseを1つ作った状態である。
「master」は既定のDBとして存在しており、様々な管理情報等が格納されている。
なお、Windows Azure 管理ポータルがサポートするのはDatabaseの作成まで。課金はされないので安心してほしい。
以下、サーバ及びDatabase作成において注意しておきたい点について述べておこう。