前回は、Windows Azure Platformを採用するまでの経緯について簡単に紹介させて頂いた。今回は、より具体的に運用・開発などについて紹介していきたい。
なお、文字数の制限もあるので詳細な手順などについては割愛する。その点はご了承頂きたい。
Windows Azure Platformの契約と利用
図1は、Azureの契約(Subscription)状況を表示した例だ。
オンプレミス的に言えば、サーバルームを1つ準備したような感じと言えばよいだろうか。
「Quota」に書かれている数値が、このサーバルームの現在の稼働状況(左側数値)とキャパシティ(右側数値)を表している。「Cores」はCPUの物理コア数、「Hosted Services」は設置可能なラック数、「Storage」は設置可能なファイルサーバ等の台数などと例えるとイメージが湧くだろうか? これらの数値については必要に応じ変更してもらう事が可能だ。
さて、Azureを使い始めるにはまず利用契約を行う必要がある。「Windows Azure 価格情報」に掲載されているので参照されたい。また、「Windows Azure Platform プラン比較表」としてそれぞれのプランが比較されているので、契約前の検討資料として活用すると良いだろう。
具体的にどのプランを選べば良いかは要件次第ではあるが、筆者の場合は検討段階である程度のリソースが必要である事がわかっていたので、「従量課金プラン」に対して割引が適用される「Windows Azure 標準プラン」を利用している。とりあえず試してみる程度であれば、一定量の無料利用が可能な「特別導入プラン」あたりが適当かもしれない。
Azureは、オンプレミスに配備した設備類と違って、不要になればすぐにやめる事が可能なのでお手軽だ。また、MSDNやパートナー向けの優待プランも準備されているので、該当する場合にはそちらの利用も検討されたい。
なお、契約に当たってはクレジットカードが必要となるので注意されたい(現在は銀行振り込みも選択可能なようだ)。
以上が通常のAzureを使い始める手順ではあるが、「使ってみたいけどちょっと契約までは…」と思われる方々も多いだろう。使用できるリソース量等に制限はあるが、クレジットカードなどが不要な「無料お試しプラン」があるので紹介しておこう。
○「東北地方太平洋沖地震 対策用 Windows Azure Platform 無料パス」
これは先の震災支援の為に利用可能なプランだ。利用に関して細かな制限等は無いので、支援の意思があれば是非ご利用頂きたい。
○「SQL Azureお試し用の、Windows Azure Platform 30日間無料パス」
こちらは「SQL Azure Migration Wizard」という、SQL Server 2005/2008をSQL Azureへ移行するサポートツールの利用者向けに準備されている30日間無料利用可能なプランだ。申込みに必要な情報等は提示したサイト内に記載されているので、そちらを参照の上SQL Azureと共に試されたい。