「モバイルプリンタ」といった時、思い浮かべるものは人によって違うかもしれない。手のひらサイズやごく軽量の棒状で、感熱紙を利用する業務用プリンタではなく、家庭やオフィスで利用されるようなカラー印刷を手軽に行えるコンパクトなプリンタとなると、実はかなり選択肢が少ない。特に写真印刷に特化したものではなく、A4サイズのカラー出力ができるものとなると扱いがないメーカーが大半だ。

その中で、本体が安価であり消耗品も入手しやすいのが、日本HPのOfficejetシリーズだ。今回紹介する「HP Officejet 100 Mobile」の前世代機となる「HP Officejet H470」は2008年半ばの発売だが、量販店ではまださほど値崩れせずに販売されている人気モデルとなっている。

本体サイズは、幅348mm×奥行き175.3mm×高さ84.4mmで、重さが2.3kg。モバイルという言葉から想像すると大きく感じられるかもしれないが、A4サイズを印刷するインクジェットプリンタとしては相当コンパクトだ。開口部はすべてヒンジつきのフタがあり、これを閉じると凹凸のない箱状になるため、持ち運びもしやすいだろう。ノートPCとともに大きなビジネスバッグに入れることも可能だが、別途サブバッグで持ち歩くとスマートになりそうだ。

移動中にフタが不用意に開閉しないためだろう、上部カバーには2つのひっかかりがある。かなりぴったりと閉じる作りであるため、指の腹を強く押しつけるか、爪をひっかけるようにしてしっかり持ち上げて開く感じだ。開くと知っていれば開けられるが、最初は戸惑うかもしれない。

印刷時には上フタを開くと給紙トレイになる。不用意に開かないよう、きっちりと閉まる構造だ

同じく、排紙部分のフタも本体にぴったりと収納されているから、爪をかけて開くことになる。こちらは中央部をマグネットで止めているから、あまり開けづらいようならば付箋紙のようなものを挟み込んでおくと、開く時の手がかりになって楽だ。

排紙部分のフタはマグネットで止められている

シルバーを基調に黒があしらわれたデザインは非常にシンプルで、どんなシーンでも邪魔にならない。モバイルでの利用はもちろん、デスクサイドのコンパクトプリンタとしても使いやすいサイズとデザインだ。たとえば、共用プリンタまで距離があるオフィスでのデスクサイド需要にも応えることができるし、大量印刷はしないホームユーザーにも使いやすいだろう。使わない時には棚や引き出しにしまっておけるのも便利だ。