インストールとセットアップ - リモートサーバー管理ツール

「Hyper-V Server 2008 R2」サーバのセットアップが終わったら、次はWindows 7 Professional (またはEnterprise、Ultimate)に「リモートサーバー管理ツール」をインストールする。

作業は「Hyper-V Server 2008 R2」のセットアップで作成した「ローカル管理者」と同じ名前と同じパスワードのユーザーを作成して、そのユーザーで実施する。「リモートサーバー管理ツール」はWindows 7用のリモートサーバー管理ツールからダウンロードしてインストールすればいい。

「リモートサーバー管理ツール」はインストールしただけではツールは有効にならない。「Windows の機能の有効化または無効化」を起動して、「リモートサーバー管理ツール/役割管理ツール/Hyper-Vツール」にチェックを入れてOKボタンを押す。これで「Hyper-Vツール」が実行できるようになる。「リモートサーバー管理ツール」の項目は「リモートサーバー管理ツール」をインストールすることで現れる新しい項目だ。

「Windows の機能の有効化または無効化」を起動して、「リモートサーバー管理ツール/役割管理ツール/Hyper-Vツール」にチェックを入れる

「Hyper-Vツール」の動作例

Windows 7にインストールした「Hyper-Vツール」を使ってHyper-V Serverにアクセスしようとすると「コンピューター'192.168.1.245'上のRPCサービスに接続できません。RPCサービスが実行されていることを確認してください。」といったメッセージが表示される。これは「Hyper-V Server 2008 R2」サーバのセットアップで設定したコンピューター名が解決できていないことが原因になっている。

「コンピューター'192.168.1.245'上のRPCサービスに接続できません。RPCサービスが実行されていることを確認してください。」というメッセージが表示されるのは、コンピューター名が解決できていないことが原因

管理者権限で「C:\Windows\system32\drivers\etc\hosts」ファイルをメモ帳で開き、次のような1行を追加する。hostsファイルにHyper-V Serverに設定した名前を記入することで名前解決を実現する。ここではコンピューター名が「HYPERVSERVER」、IPアドレスが「192.168.1.245」になっているので、次のような1行を追加した。

192.168.1.245 HYPERVSERVER

この段階でHyper-V Serverに接続を試みると、次は「アクセスが拒否されました。'192.168.1.245'と'ONGSW7ULTIMATE'との間の通信を確立できません。」といったメッセージが表示される。これはCOMセキュリティの制限でアプリケーションにアクセスできるユーザーが制限されていることが原因になっている。

「アクセスが拒否されました。'192.168.1.245'と'ONGSW7ULTIMATE'との間の通信を確立できません。」というメッセージが表示されるのは、COMセキュリティの制限でアプリケーションにアクセスできるユーザーが制限されていることが原因

そこで、「コンポーネント サービス」を起動して、左のツリーから「コンソールルート/コンポーネントサービス/コンピューター/マイコンピューター」を選択し右クリック。ポップアップメニューから「プロパティ」を選んで起動してくるプロパティダイアログで「COMセキュリティ」タブを選択し、「アクセス許可」の「制限の編集」ボタンをクリックする。

「コンポーネント サービス」からマイコンピューターのプロパティを選択

「グループ名またはユーザー名」から「ANONYMOUS LOGON」を選択し、「リモートアクセス」の「許可」にチェックを入れる。この設定の後は「Hyper-Vマネージャー」からHyper-V Serverにアクセスできるようになる。

「ANONYMOUS LOGON」に対してリモートアクセスの許可を与える

「Hyper-Vマネージャー」からHyper-V Serverにアクセスできるようになる

なお、Windows 7はこのタイミングで一回再起動しておく。

Hyper-Vマネージャーから使うHyper-V

ここまでセットアップが完了したら、あとはHyper-Vマネージャーから仮想環境のインストールや運用を実施する。ここから先の作業はアプリケーションレベルのPCエミュレータを使うのと同じ感覚で利用できる。1つ違うのは、仮想環境が動作しているのが作業しているPCではなく、Hyper-V Server 2008 R2がインストールされたマシンということだ。

Hyper-Vマネージャーの動作例

ゲストOSとしてインストールしたFreeBSD

ゲストOSのプロパティ画面

こうしてつらつらと作業手順を書いていくと大変なように感じるかもしれないが、実際はそれほど大きな苦労はない。また、Windows Server 2008 R2を利用すれば、より簡単に導入作業を終えられるようだ。

次回は、実運用想定して、今回セットアップした環境にさまざまなゲストOSをインストールしてみたい。なお、ゲストOSには、Hyper-V Server 2008 R2が正式にサポートしているものと、していないものの両方を試してみる予定だ。