改善された通知機能
しばらく使ってみた場合にユーザが感じるIE8とIE9の最大の違いのひとつは「煩わしさの軽減」だ。IE8は事あるごとにユーザに警告のダイアログを表示し、判断を促してきた。これに慣れてしまったユーザは、特にダイアログの内容を確認することなく「OK」ボタンを押すようになる。こうなるとダイアログとしての意味がない。
IE9ではこの点にメスが入っており、従来の傾向を整理し、ユーザに報告すべき警告を必要最小限まで減らしている。
さらに表示を強制ダイアログではなく、ウィンドウの下部に表示される通知専用のUIに置き換えている。ユーザは操作を妨げられることなく、いつのまにかこの通知ウィンドウに気がつくように工夫されており、IE8のときに感じた「煩わしさ」が極力感じられないようになっている。報告内容も工夫されており、やたらに「OK」ボタンを押すような状況にならないように配慮されている。
Windowsとの高い親和性の実現
IE9の最大の特徴はどのブラウザよりもWindowsとの親和性が高い点にある。特にWindows 7の大きな特徴となっている機能強化されたタスクバーとの親和性の良さはIE9の特徴となっている。IE9ではページをそのままドラッグ&ドロップでタスクバーに追加できるようになっており、よくアクセスするページを登録しておくのに便利。
タスクバーにピン留めしたページを起動すると、ナビゲーションボタンは双方ともに青色で表示され、ピン留めされたタスクバーから起動したことがわかりやすくなっている。
優れた消費電力
IE9は主要ブラウザの中でも優れた消費電力を実現していることも注目に値する。ノートPCやネットブックを使っている場合にとくに効果的になってくるポイントだ。このあたりもWindowsプラットフォーム専属で開発されているアプリケーションの強みといえる。
アップグレードが推奨されるIE9
IE9は機能的にもセキュリティ的にも、従来のIEからのアップグレードが推奨できるバージョンに仕上がっている。どうしてもIE8やIE7が必要というケースを除いて、アップグレードが推奨されるプロダクトだ。今のところWindows Updateで自動的にアップグレードされるということがないので、アップグレードには能動的な取り組みが必要だ。
IEに限らず、ほかの主要ブラウザも短周期でのメジャーアップグレードモデルへの移行を進めている。特にコンシューマでは短周期でのメジャーアップグレードが主流の方法になる流れになりつつあり、今後のことを考えてもIE8からIE9へのアップグレードは実施しておいた方が便利なことが多いとみられる。