テンプレートは宝の山、探せば "欲しいもの" が必ず見つかる
上条:当たり前の話ですが、FileMaker Goを利用するためにはテンプレートが不可欠です。これが、FileMaker Goを使う上でのハードルにならないようにしたいですね。
林: はい。しかし、マイコミジャーナルが開催している「ファイルメーカー選手権」には、ユーザーから投稿されたテンプレートがたくさん集まっています。住所録や備品管理など、FileMaker Goがあれば、すぐに利用できるものがたくさんあります。つまり、必ずしも "親" であるFileMakerを使って自前でテンプレートを作らなければならないというわけではないのです。
上条:これは、これまで様々なものを開発し、応募してくれたユーザーのみなさんのおかげですね。これらのテンプレートには、市販のアプリではまず見られない、ピンポイントで「かゆいところに手が届く」ものからエンターテインメント系のものに至るまで、ただ眺めているだけでも楽しくなるほど実に幅広い種類のものがそろっています。
林:医療設備の保守管理など、ちょっとアレンジすればどこの病院でも使えるようなテンプレートもあります。まさにこれらのテンプレートは "宝の山" なのです。ファイルメーカー社もサンプルを無償で提供していますが、もしここで「本当に必要としているもの」が見当たらない場合、これらの "宝の山" から探し出すといいと思います。FileMaker Goを使って「こんなことも、あんなこともできるのだ」ということがわかれば、FileMakerの底力が理解できるようになるはずです。そうすれば、いずれは "親" であるFileMaker Proを使ってカスタマイズしたくなってくることでしょう。ぜひ試してほしいですね。
上条:昨年開催された「ファイルメーカー選手権2010」では多くのテンプレートが集まりました。ただ残念なのは、当時はまだFileMaker Goが登場したばかりで、どこまで応募作品が実用的に使えるのか我々もまだ整理・検証ができていませんでした。
林:たしかにこれらのテンプレートは、すべてがFileMaker Goで完全に動作するとは限りません。今後はぜひともマイコミジャーナル側で検証し、FileMaker Goで動くものには "FileMaker Go動作検証済み" マークを付与するなど、FileMaker Goでの利用環境を改善するための取り組みも実現してもらいたいところです。
上条:そうですね。今後のファイルメーカー選手権では、「FileMaker Goでも動作するか」という点も評価ポイントに加えていきたいと思います。ところで、手っ取り早く「FileMaker Goに触れてみたい!」と思うユーザーのための近道はありますか?
林:ファイルメーカー社は、同社のWebサイトでFileMaker Goに関する動画によるデモなどを公開しているほか、FileMaker Proの30日間の無料評価版とテンプレートなどがセットになっている「FileMaker Go “On the Go”キット」を無償提供しています。仕事に使えるiPhone/iPadのカスタムソリューションを探している方は、まずこのキットをダウンロードして、FileMaker ProとFileMaker Goならどんなことができるのかを評価してみるとよいでしょう。
FileMaker ProもFileMaker Goも進化を続けている
上条:FileMaker Goには、今後どのようなことを期待していますか。
林:FileMaker ProもFileMaker Goも "進化" を続けているソフトです。「1対N」対応や印刷機能の改善など、細かい点では改善を望む部分もありますが、一度でも "その世界" を体験すれば、二度と手放せなくなるツールであることは間違いありません。今後の "進化" にも期待しています。
ファイルメーカー社の東日本大震災復興への取り組み
ファイルメーカー社では、東日本大震災で同社製品を紛失したユーザーに対し、インストールメディアとライセンスキーを無償で提供している(問い合わせ先)。また、同社Webサイトのトップページには、iTunes Storeを通じた寄付の情報も掲載されている。