まず、主要機能だが、最も大きく変更されたのがアーキテクチャの部分で、SMPによるマルチコアのサポートが追加された。また、メインアーキテクチャとしてはARMを中心にX86とMIPSのサポートとなり、これまでのCEシリーズでサポートしていたSH-4が除外されたが「ビジネス上の判断でSH-4はAutomotive 7でのサポートに移行した」としている。これは、SH-4で同OSを使用しているユーザーの大半がカーナビゲーションを中心とした車載機器向けということで、そちらにリソースを集約したほうが、よりよい環境を提供できるとの判断によるものである。
SMPは物理的には8コアまでサポートしており、250コアまでの論理カーネルをサポートしている。また、マルチコアということでAPIによるCPUコアマネジメント機能や安定したシステムを実現するためのスレッドのロック回避システムなどが組み込まれている。
また、今回よりARM v7を標準でサポートしており、これによりNEONなどのサポートも行われるようになる。松岡氏はこの対応について、「様々な半導体メーカーから提供されているプロセッサで一番多いものがARMアーキテクチャを用いたもの。これらの製品をコンパイラ含めてサポートしていく」とし、各半導体ベンダと協力していくことを強調した。
そのほかの主要機能としてはDLNAが標準サポートとなったほか、ブラウザとしてInternet Explorer 7(IE7)をサポート。このIE7は、通常のものではなく、Zune HDに搭載されたものをベースとして採用しており、Flash 10.1をサポートしている。
また、Silverlight for Windows EmbeddedとしてSilverlight 3をベースにハードウェアダイレクトアクセス機能が追加されたほか、C++によるプログラミング、Win32 APIへの対応なども施された。
さらに、各種ツールの改善も行われた。例えば、Visual Studio 2008にPlatform Builder 7が追加されたほか、SMPサポートの向上などが可能となるカーネルデバッガ機能、ビルドの最適化やコンパイラアップデートが可能なビルド機能、PCベースの新しい統合テストアプリケーションなどが提供される。