「PAGE2011」

日本印刷技術協会主催による印刷メディアの総合展示会「PAGE2011」が2月2日(水)から4日(金)の3日間、池袋のサンシャインシティコンベンションセンターTOKYOで開催された。注目を集めていたソフトウェア、ハードウェア、ユニークなソリューションなどを紹介したい。

展示ホールは昨年の3ホールから、4ホールの構成へ拡大し、来場者数は3日間合計で7万3,720人と、昨年度の7万2,470人を若干ではあるが上回る結果となった。出版業界の市場規模縮小が伝えられる中では、多少なりとも明るい兆しと捉えることもできる。

本年の全体テーマは「情報デザイン新時代」で、iPadの発売で電子書籍元年といわれた昨年に続き、各社の電子書籍関連ソリューションやカンファレンス、セミナーが注目を集めていた。

このレポートでは、今回のPAGE2011で注目を集めていたソフトウェア、ハードウェア、ユニークなソリューションなどを紹介していく。

日本ヒューレット・パッカード

「HP Indigo 7500 デジタル印刷機」

印刷機の中で最も注目を集めていたのは、日本ヒューレット・パッカードが発売した「HP Indigo 7500 デジタル印刷機」。これまでのシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックという標準4色に加え、ライトシアン、ライトマゼンタなどのフォトインキが使用できる。また不透明度の高いホワイトインキを使うことで、透明やメタリック、カラーメディアなどの特殊素材への印刷にも対応。4色カラー印刷は最速120ページ/分(A4サイズ)、2色/1色の印刷は最速240ページ/分という高い生産性と、本体に内蔵したインテリジェントオートメーション機能「ビジョンシステム」で、キャリブレーションと自己診断を自動で行うことで安定した長時間稼働を可能にするということでも注目を集めていた。

小ロット印刷から大量印刷まで幅広い印刷ニーズに応えるデジタルオフセット機構印刷機。用紙サイズは最大A3ノビまで対応している。平均1μmの極小粒子「HPエレクトロインキ」はオフセット印刷に匹敵する高い印刷品質を実現

キヤノンITソリューションズ

「3DVIA Composer / EdianWing / imagePRESS 1135」

キヤノンのブースではCADデータからインポートしたデータを元に、テクニカルイラストや3Dアニメーションを作成可能にする3DVIA Composer、高品質な組版と効率的なレイアウト、面付けを行うEdianWing、三方断裁仕上げができるimagePRESS 1135によるマニュアル制作ワークフローを展示。3DVIA Composerは3次元CADのSolidWorksで設計したデータを読み込み、パーツの分解や回転などを行いマニュアル制作に必要な図版を簡単に作成することができる。これらの図版データとテキストを、日本語ページレイアウトシステムEdianWing上でレイアウト。豊富な独自タグによる自動・半自動バッチ組版機能で、高い生産性と確実なレイアウトから面付けまでを行う。作成したデータはimagePRESS 1135でくるみ製本や中綴じ製本としてマニュアルに仕上げることが可能。マニュアル制作の内製化や製品の仕様変更にも即座に対応できる他に類を見ないソリューションとなっている。

3次元CADデータをインポートすることで、精度の高いテクニカルイラストの作成が可能となる3DVIA Composerと、目次、索引作成から高度なページレイアウト、面付けを行うEdianWing、8,100ページ/時間(A4サイズ)の印刷が可能なimagePRESS 1135を使ったマニュアル制作ワークフロー