パタゴニア創業者 イヴォン・シュイナードとザ・ノース・フェイスの創業者 ダグ・トンプキンスのふたりは、20代の頃、大自然を目指し冒険の旅をした。その姿をトレースするひとりの青年の姿を通じて、雄大な自然の姿や、それがさらされる危機を描き、自然を守るために人間が出来る事などを問いかけたドキュメンタリー映画『180°SOUTH/ワンエイティ・サウス』。2011年1月21日に日本公開されるこの作品を監督したクリス・マロイに話を訊いた。
自然の姿や環境問題の現状を旅を通して伝える
クリス・マロイ |
――監督は、なぜ『180°SOUTH』を作ろうとしたのでしょうか。
クリス・マロイ(以下、マロイ)「私は、これまでサーフィンに関するドキュメント作品を数作監督してきたのですが、まだ他に沢山世の中に伝えたい事があるとわかったからです」
――監督が今回伝えたかったのは、どのような事なのでしょうか。
マロイ「これまでの私の作品では、サーフィンをテーマにして色々な場所に行き、その場所の自然の美しさのみを映像として捉えていました。そういう記録映像は残してきたのですが、環境問題やそれを取り巻く社会の問題点はあえて映していなかったのです。そこを今回はしっかりと伝えたいと思いました」
――パタゴニアの創業者の旅に憧れ、南米のパタゴニアを目指して旅する青年 ジェフ・ジョンソンの存在も大きかったと思うのですが。
マロイ「確かに、彼の存在がこの作品の大きなインスピレーションになりました。この作品は、私が企画して彼に旅をさせたものではなく、ジェフ・ジョンソン自身の夢である冒険の旅を、私がカメラで追ったものなのです」