破天荒な弁護士に様々な受験テクニックや勉強法を伝授された劣等生たちが、東京大学受験合格を目指すという人気漫画『ドラゴン桜』。ドラマ版も高い人気を集めた同作が、韓国でテレビドラマ化され、日本国内でもDVDが発売された。『ドラゴン桜<韓国版>』や出版業界の未来について、『ドラゴン桜』の作者である漫画家 三田紀房に話を訊いた。
原作の持つストレートなスタイルは、韓国と相性が良い
――『ドラゴン桜』が韓国でも実写ドラマ化され、日本でもDVDレンタルが開始されました。
三田紀房(以下、三田)「こうして自分の作品が様々な形で広まっていくのは、素直に嬉しいですね」
――韓国版をご覧になって、どのような印象をもたれましたか。
三田「ほぼ原作通りに作られているという印象がありました。私が紹介したかった勉強法なども、原作に忠実に描かれています」
『ドラゴン桜<韓国版>』
――マンガの中の桜木建二の決め台詞なども、ほぼそのままでしたね。国は違うのですが、違和感なく見ることができました。
三田「今回のドラマを観て、日本と韓国はよく似てるという印象を持ちました。社会のシステムや人々のメンタリティが似ているんです。日本と韓国が似ているので、台詞などが原作のままでも違和感なく感じたのだと思います」
――受験や教育に関して、誰も言わない本質を、綺麗ごとでなく言い得た厳しい言葉などは、日本人よりも韓国人が言うほうが、画としてしっくりきますね。
三田「そうですね。原作が、ある意味、本音をズバズバ言うので、韓国人のストレートにモノ申すスタイルと相性が良いのだと思います」
――この韓国版『ドラゴン桜』をご覧になる方に、ひとことお願いします。
三田「この韓国版『ドラゴン桜』ですが、マンガ同様にとりあえず観ていただければ、気持ちも前向きになりますし、なにかやってみたくなるはずです。中高生は観て、試していただければ、実際に成績が上がると思います。普通の作品は、観て、考えるだけで終わりですけど、『ドラゴン桜』はその先に、行動に移せるという部分があります。マンガにしろ、映像にしろ、何か行動を起すきっかけにして欲しいですね」