――御社のiPhoneケースは、普段どのような過程を経て商品化されるのでしょうか?
まず素材の市場における人気を調査します。次に、出てきたデザインに対して色も含めたマーケティングを行い、素材と色のマッチングを決めていく……、という感じですね。製造はほぼ中国ですが、ボタン穴の空け方の技術、フィット感や薄さの再現など、日本の工場に近い技術を持つ工場にお願いしています。ユーザーさんが最初に買うケースとして、コストとクオリティのバランスが取れた商品にするための工夫なんですよ。
写真左は側面にシリコンを使用した「SoftBank SELECTION Reveal Etch for iPhone 4 Graphite」、右はポリカーボネートを使用した「SoftBank SELECTION Reveal for iPhone 4」 |
――なるほど。これまでにはどんな商品を販売されてきましたか? また人気のあった商品を教えてください
やはりシンプルなデザインが中心ですね。素材はポリカーボネートやTPU(熱可塑性ポリウレタン樹脂 <Thermoplastic Polyurethane>)、革などですが、特に高い評価をいただいているのはTPU素材のストラップホール付きソフトケースです。ストラップが自然につけられるよう位置にこだわった商品です。これは、強度の保証ができるTPU素材を使用することで、重いストラップをつけても壊れないように、という風にユーザーさんの行動まで考えて製造している点もポイントです。
色はクリア、黒、白が強いですね。ただ、その次はピンクが強いです。この傾向はIPhone 3GS以降なので、やはり女性のユーザーさんが増えているんでしょう。
――「売れる」iPhoneケースとはどのようなものでしょう
最初に買うケースは、基本的にアクセサリー的な観点より保護が目的なんです。でも、慣れてくると派手なデザインを選ぶことが多くなります。例えば、最初に色付きケースを買った人の2個目はデザインケース、という感じです。iPhoneケースがたくさん発売されているのは、その可能性を見越しているからではないでしょうか。その中で売れるケースというと難しいですが、逆に、iPhone自体のデザインや使いやすさを損うデザインはダメだと言えますね。今回は平面のデザインなので直接は関係ないですが。
――受賞作品に関して、コンテスト後の展開について教えてください
はい。二次審査を通過した各都道府県代表作品は、WEBやイベントなどでお披露目する予定です。最終審査通過作品は商品化し、SoftBank SELECTION オンラインショップのほか、ニーズがあれば各都道府県のソフトバンクショップでの販売も考えています。
――今回のコンテストにおいて、応募者のメリットとは何だと思われますか?
みなさまに目にしていただいている「SoftBank」の名を冠した「SoftBank SELECTION」ブランドから実際に製品化されるということは、デザイナーさんには一つのステータスになるでしょうし、学生さんは就職活動に活かせると思います。私たちもこれからデザインを追求していきたい気持ちがありますので、もし私共と共感できる方々とお会いできれば、何か新たな展開にもつながる可能性があるかもしれません。ぜひ、たくさんの方に応募していただければと思います。
――ありがとうございました
<了>