実のところ、米SAS Instituteは、米の経済誌『Fortune』が行ったランキング「2010 FORTUNE 100 Best Companies to Work」で、トップを獲得している。「世界で最も働き甲斐がある会社」を目の当たりにできるチャンスがあると知り、今回は非常に楽しみにしていた。

同社の本社は「キャンパス」と名のっているとおり、広大な敷地内にオフィスだけでなく、カフェテラス、保育所、病院、フィットネスクラブなど、従業員が快適に暮らすために必要な施設がすべて揃っている。

キャンパス内にこうした施設を設けることで、社外に出向く時間をできる限り減らし、効率化を図るというのが目的だ。今回は、Research&Developerのための施設を見学した。真ん中に広い吹き抜けがあり、言われなければホテルと間違ってしまいそうな洒落た内装である。

Research&Developerの施設。1階にあるカファテリアはちょっとしたレストランみたいだ

敷地内には同社が最近力を入れているクラウドコンピューティング向けの施設「Cloud Center」もあり、できれば見学させてもらいたかったのだが、今回はその機会がなかった。現在は、顧客向けの施設を建設中である。

また同キャンパスには、箱根にある某美術館のように、至る所に彫刻が置かれているのも特徴的だ。建物の中にも絵画がたくさん飾られている。同社の創立者であるJim Goodnight氏の奥様がアートに造詣が深く、これらをすべて統括されているそうだ。

SAS Instituteのキャンパス内のあちらこちらで見られる彫刻群

さて、今回のメディアツアーのお楽しみはこれだけではない。同社がラスベガスで開催するビジネス関連のカンファレンス「Premier Business Leadership Series」に参加するにあたり、専用機で移動することになっているのだ。

SAS Instituteの専用機。左が大型機で、右が小型機

専用機とあって、座席はゆったりとした革張りのソファーであるなど、贅沢な作りになっている。機内では同社の社員であるキャビンアテンダントの方々がいろいろとおもてなしをしてくれた。

専用機の機内の様子。これだけゆったりしていれば、長時間のフライトもストレスなく過ごせそう

1つ面白かったのがトイレだ。扉を開けると、座席と同様の椅子が正面に置かれており、便器がない。実は、座席を持ち上げると、便器が隠れているのだ。初めてトイレに入った人は皆、驚くはず。

扉を開けてビックリ! 便器の代わりに革張りの椅子がドンと置かれている

さらにラッキーなことに、離陸時に操縦席に座ってパイロットの運転を数10cmという近さで見学することができた。飛行機を運転するパイロットの姿を見たのは初めての経験だ。つかの間の"エグゼクティブ気分"を味あわせてもらった。

操縦席の真後ろでパイロットの運転を見学

創業以来、増収増益のうえ、オフィスも快適なことこのうえない――同社で働くスキルを持っているかどうかはさておき、「SASで働きたい」と思ってしまったプレスも多かったのではないだろうか。