「Digital Harmony-もっと快適に、もっとエコに」がテーマとして掲げられた今回の「CEATEC JAPAN 2010」には、国内内外の企業合わせて616社が出展

2010年10月、千葉県・幕張メッセにて、アジア最大級の最先端IT・エレクトロニクスショー「CEATEC JAPAN 2010」が開催された。話題のモバイル、ネットワーク関連をはじめ、電子部品、デバイス、製造、さらにはコンピュータ、家電、映像、音楽などのエンタテインメントに至るまで、非常に幅広い分野の最新技術が一挙に展示されたCEATEC JAPAN 2010から、特にクリエイターの表現の場を広げてくれそうな製品をピックアップして紹介する。

最新音響技術を活用した新概念「サウンドサイネージ」

楽器やAV機器メーカーとしてお馴染みのヤマハでは、同社が新開発した薄型・軽量・フレキシブルスピーカー「TLFスピーカー(TLF-SP)」と音響データ通信技術「インフォサウンド(INFOSOUND)」を組み合わせた新しい情報提供媒体「サウンドサイネージ(Sound Signage:音響看板)」の概念を、実際に体験出来るブースが展開された。見た目はなんの変哲もないポスターやタペストリーに見えるTLFスピーカーの正体は、曲げることもでき、広告を印刷した布などに付けることも可能な、厚さわずか1.5ミリという薄型スピーカー。まさに「音の出るポスター/看板」として様々なシーンでの活躍が予想される。また、インフォサウンドは、人間にはほとんど聞こえない可聴帯域内の高域(約18kHz以上)を利用して、最大約80bpsで約10m以上の領域にデータを伝送できる技術。通常のスピーカーで再生でき、複数の受信機に同時にデータを配布(1対多配信)が可能なこと、さらに展示会場など雑音の多い場所などもで比較的容易にデータやりとりできることなどがメリットとのこと。

TLFスピーカーとインフォサウンド技術を組み合わせれば、街角やギャラリーに展示する作品に作者情報を付加するなど、新たなクリエイションの可能性がさらに大きく広がるはずだ

CEATEC JAPAN 2010会場にて、iPhoneアプリ「INFOSOUNDブラウザ」を使って「音スタンプ」を集める「サウンドスタンプラリー」を開催。新しい情報発信の形を実際に体験できた