iPadアプリはコンテンツを削ぎ落とすべき

iPadアプリはカタログ作りを意識すべきと語る三橋ゆか里さん

三橋 iPadアプリのコンテンツの話なんですが、iPad向けのコンテンツには、盛り込む要素を少なくしたほうがいいと感じています。アマゾンやeBayのiPadアプリを見てみたんですけど、テキストが多くてPCサイトを見たほうがいいと思ってしまいました。

アマゾンでも360度どの角度からでも商品を見られるようなiPadならではの機能を盛り込んだアプリにして、コンテンツをカタログ寄りにしていくことが重要かなと。

村井 そうですね。APPBANKのiPadアプリは盛り込んだ要素が非常に少なくて、PCサイトの7割以上ないといっても過言ではありません。iPhoneよりiPadの画面は3倍近く大きいんですが、実はiPhoneアプリよりもiPadアプリのほうが盛り込む要素を少なくしています。

iPadは画面が大きいので、iPadアプリには色々な要素を入れることができるんだけれど、そうすると、まったく使えないアプリになってしまうんですよね。泣く泣くPVランキングなどのコンテンツを削りに削って落としました。

eコマースは商品セレクトとレコメンドの力量が重要と話す椎谷ハレオ氏

椎谷 個人的には商品をセレクトするバイヤーや、商品をレコメンドする編集者的な役割を持った人がeコマースの表に立ってくるのではないかと思っています。

どこかで公開されたランキングをもとにして商品を買うよりも、誰かがオススメしてくれて信頼感のある商品を買うほうが楽しいと思いませんか。好きなブランドや企業が紹介してくれるほうが、買う側は楽だし、そうなるといいんじゃないかなと思う。

iPadにおけるアプリの重要性

新城 iPadではPCに近い感覚でサイトが見られますが、サイトをアプリ化する理由についてはどうでしょうか。

コーディネーターの新城健一氏

村井 iPadのホーム画面にアプリのアイコンがあるのとないのとでは、桁違いにアクセス数が変わってきます。Safariにブックマークしてアクセスする方法もありますが、ユーザーはそれを選択しない。

APPBANKはiPad発売後、3週間経ってからiPad向けのアプリをリリースしたんですが、アプリが出てからのアクセスは3倍に増えた。恐らく、ホーム画面にアプリのアイコンを置くというのは、非常に大きな意味を持つと思います。

新城 iPadを使ったeコマースの動きはこれから。今はトライアンドエラーを繰り返していく時期といえます。そのなかで、iPadにおけるコンテンツをアプリ化することの意味合い、簡素かつ魅力的なカタログとしてのアプリ制作、CGMのリコメンド機能をどう活用していくかなどがキーになってくるのではないでしょうか。

APPLIYAでは今後、スマートフォンにおけるeコマースの勉強会を予定しているとのこと。日程の詳細は、Twitterアカウント「@appliya」で配信されるので、気になる人はぜひフォローを。