シトリックス・システムズ・ジャパン(以下、シトリックス)とマイクロソフトは6月16日、都内にて共同で「シトリックスとマイクロソフトがリードするデスクトップ仮想化」と題したイベントを開催。両社のトップが基調講演を行った。
ITに合わせてワークスタイル変革を
今回の基調講演におけるキーワードの1つとされたのが、「ワークスタイルの変革」。マイクロソフトの樋口社長は、もともと同社がWordやExcelなどのOfficeアプリケーションを中心に成長してきた会社であることに触れながら、同社自身がこれまでに「ワークスタイルの変革」の役割を担ってきたことを紹介。その上で、「今後5年間で60%以上もの市場成長性が見込まれる」(同氏)とされるデスクトップ仮想化市場において両社が世界市場で協業していくことの意味を強調した。
また同氏は、ユーザー部門の立場が強いことによるITの"ガラパゴス化"といった日本企業における問題点を指摘。内需による成長が見込みにくい今後の日本企業の方向性として「人材も含めた価値観のグローバル化は必須」という考えのもと、今後は「ソフトウェアに合わせてワークスタイルを変えるといった欧米型の発想が求められるようになる」と語った。
両社の協業に関する具体的な内容については「技術、ライセンス、マーケティングの主に3つの領域で連携しながら市場を開拓していく」とし、マイクロソフト側としては、「全社員の70%がクラウド関連の業務に従事している」(同氏)というように、いわゆるクラウドの"インフラ"面のみならず、デバイス側で重要になってくるモーションセンサーを含めたユーザーインタフェースについても引き続き「愚直に投資を継続していく」と語った。
デスクトップからデータセンター領域まで連携
シトリックスのキング社長は「今回のマイクロソフトとの協業は、この20年間のパートナーシップ関係の結果」とし、2010年からはこの関係が「デスクトップ仮想化」の領域に移行したことを紹介。また同氏は「これはあくまで(新たな)始まりにすぎない」とした上で、今後も両社の関係が継続していくことをアピールした。
また同氏は、協業ベースですでに世界で1億人規模のユーザーを抱えているという基盤を生かし、デスクトップのみならず「Citrix NetScaler」などのネットワーク製品、「Citrix Essentials」といった管理ツールを含めたデータセンター領域に至るまで協業展開を図るとした。