画像左から「Flash Builder」担当の浦野大輔氏、「FlashDevelop」担当の佐藤陽亮氏、「FDT」担当の松竹誠氏

アドビの期間限定ギャラリーstation 5にて、Flashプログラムの開発環境についてのトークショウが開催された。当日は知名度の高い3つのエディター「FDT」と「FlashDevelop」、「Flash Builder」を熟知した3名のスペシャリストが登場した。なお、イベントの司会進行は、定期的にFlashの勉強会を開いているユーザーグループ「Flash OOP」から参加したトミー氏が担当した。

当日、トークショーに参加した観客は、全員がFlash開発を行なっているプログラマー。使用環境はWindowsが7割と多数を占め、Linux使用者はゼロ。エディターについては、FlashDevelopがもっとも多く7割。次いでFlash Builderが2割、FDTが1割弱だった。

イベントでは、アドビの製品担当 轟氏が登場し、Flashコンテンツの現状を紹介。轟氏はiPhoneとiPad以外のさまざまなデバイスで動くFlashの優位性を解説。「ワンコード・マルチスクリーン」のデモとして、ボールを打ち合うエアホッケーのようなゲームを起動した。まずはPCを使ってのデモで、さまざまなOSやブラウザーで動くことを紹介した。そしてその後に、まったく同じコンテンツをアンドロイド携帯でもプレイしてみせた。PCではマウスとキーボードを使って操作していたが、アンドロイド携帯では電話機本体を傾けてプレイさせた。

アドビ 轟氏によるFlashプラットフォームの解説。さまざまな製品によって構成されている

Flashで作られた『Crazy Gems 2.0』というゲームを紹介。中央にある壁の穴を移動させてボールを左右のエリアに分けるゲーム

アンドロイド携帯でもプレイできる。これから普及するであろう端末なのでとても期待しているとのこと

強力な入力アシスト機能が特徴の「FDT」

ひとりめのプレゼンは、FDTを担当する松竹誠氏(FDT Evangelist/cellfusion)。松竹氏がFDTのウリとして挙げたのは、強力な支援機能「QuickFix」。直訳すると「特効薬」という意味があるこの機能は、エラーをどのように修正するかを少ない手順で処理してくれる。他のエディターからコードをもってきても、美しい形になるまで警告を出してくれる。また、一般的なエディターではファイルを保存したときにエラーを教えてくれるが、FDTの場合はコードを書いている最中からリアルタイムに知らせてくれる。松竹氏は「どこまでもしつこいくらい注意してくれるが、慣れたらこれがクセになります」と語った。

紹介されたもうひとつの機能は「コードテンプレート・コードアシスタント」。これはFlash Builderの「スニペット」のようなもの。あらかじめ多くのテンプレートが用意されているが、自分でも登録することができる。最後に松竹氏は、「日本ではまだマイナーな『FDT』ですが、海外では広く使われています。問題は価格が高いところです」とコメントした。松竹氏は、発売中の3つのバージョンのうち、コードしか書かないに人は129ドルの「Pure」。デバッガーまで使いたいという人には、最上位版779ドルの「Enterprise」を勧めていた。

矩形で囲ってある部分はTabキーを押すとフォーカスが移動する。とても便利な機能だ

「Flash Builder」ではスニペットと呼ばれている豊富なテンプレート。初めから入っているものの他に、ユーザーが作成することも可能