InDesignを媒介にしたクロスメディア展開
--こうしたWebサイト構築に共通するアプリケーションは、やはりAdobe Flash ProfessionalなどのWeb作成ソフトですか?
マイケル もちろんAdobe Flash Professionalも強力なツールですが、ポイントはいずれのメディアもAdobe InDesignのレイアウト機能を上手く活用して出来上がっているという点です。クリエイターが抱える現在の大きな問題点は、InDesignを使ってレイアウトを作る作業に忙しく、Webに関するツールを習得する時間がないことです。
しかしながら、Adobe Creative Suite 4ではWebにもビジネス展開できる機能が多く搭載されています。紙のデザイナーがWebサイト構築のスペシャリストと一緒に仕事をすることで、今までのスペシャリティを維持しながら価値ある仕事ができるようになっているのです。
さらに最近では、紙媒体からオンラインメディアへの転換を行う雑誌も多いですね。イギリスの事例「iGIZMO」もそうです。デジタルガジェットを紹介する雑誌ですが、Adobe InDesignをレイアウトソフトに使用しています。その理由は、Web媒体ではコンテンツの始まりと終わりが曖昧になってしまうこと。読み終わったときの充実感を大切にしたいこと。この価値のある感覚をWebで展開することが「iGIZMO」の目標でした。
そのため、「iGIZMO」を見てもFlashあるいはHTMLのコンテンツを見ている感覚に陥らず、雑誌のような充足感が得られます。
--Adobe Creative Suite 4の活用が、新たなメディアへの参入をサポートするわけですね。
マイケル Adobe Creative Suite 4以前は、こうしたWeb媒体への展開が非常に痛みを伴う作業で、複雑なワークフローを必要としてきました。複数のアプリケーションを使い分け、Adobe InDesignではレイアウト、インタラクティブなアニメーションはAdobe Flash、パーツ類はAdobe Illustratorで作成してまたAdobe Flashで開くと、ファイルの書き出しと読み込み作業だけで膨大な作業量があったはずです。
「iGIZMO」は2週間おきに発行される雑誌ですが、旧バージョンでの制作フローではスタッフに休みが取れる時間がなかったようです。Adobe Creative Suite 4になって、各アプリケーションのネイティブファイルを相互に扱えるようになり、作業効率が格段に上がっています。
優秀なデザイナーは、媒体に関わらず読者の立場に立ったレイアウトが考えられます。その作業は、複雑であるべきではないんです。
私たちは、あらゆるメディアにおけるクリエイティブデザインをスムーズにするツールを開発していきます。新たなメディアへの挑戦を負担のないものにすること、それが私たちの願いです。