よいチームを守る

チームワークがうまく機能している場合、それを解散することは大きな損害につながる。チームを守るのもマネージャの役目。

細かく管理しすぎない、助けを押し付けない

例えば30分置きに報告をさせるようなことはプロジェクトの進行を妨げる以外の効果はない。マネージャとしてはできるだけ部下を信頼して任せる方がいい。そして、どうやって邪魔にならないように部下をうまく手助けをするかを考えること。もし部下が行き詰まっているとき、それにどうやって気づくか、気づいたときにどうするかを考えておく。

敬意をもって個人として人に接する

スタッフ全員を一様に扱うのではなく、個人としてそれぞれ異なったアプローチをすること。

各スタッフに毎週会う機会を設ける

1対1でミーティングすることは、お互いから何を得られるかを理解できるため、信頼関係を作る上で非常に重要になる。その場合、日時を決めて必ずそれを遂行することが大事。特に問題が発生していなくてもお互いにフィードバックが得られるし、予定に組み込むことで時間を確保しやすくなる。

1週間のうちにトレーニングのための時間を設ける

技術は常に変化するので、それに対応するためにはトレーニングが必要となる。例えば非公式なランチミーティングや異なるグループとの交流、社内でのユーザグループミーティングなどが有効なトレーニングの手段となる。

素晴らしい仕事に対しては、その人の手柄としてそれを讃えること

スタッフがいい働きをした場合には、その人の手柄としてそれを讃え、周囲にも知らせること。スタッフのモチベーションも上がるし、自分のマネージャとしての評価にもつながる。

仕事のできない人をプロジェクトから外す

難しい問題だが、チーム全体の士気や生産性に関わるため非常に重要である。そのためにはまずフィードバックを与えた上で本人が問題に気づくようにするのが良い。本人が問題に気付ば、別の仕事を探してあげることもできるようになる。

成果というのは時間ではない

長時間働けばよいというものではない。例えば1週間の労働時間を制限した方が作業効率が上がるということもある。もしかけた時間に対して作業が進んでいないのであれば、1週間の時間の使い方を記録してみるとよいかもしれない。

過ちを認める

もし過ちを犯した場合には、出来る限り早くそれを認めなければならない。また誰かが過ちを犯した場合にも、それを責めるのではなく、それを正すために何をすべきかを考えるのが大切である。

よい仕事を認めて讃える

よい仕事に対してよいフィードバックを与えることは、個人にとっても組織にとってもプラスに働く。仕事に対する見返りは何もお金だけではなく、自由時間を与えることやグループアクティビティを実施することなど様々な方法がある。

休暇を取る

仕事ばかりしていても効率は上がらない。

自らを管理する

「これは一番大事な教訓かもしれない」(Rothman氏)。自分が達成できていること、直面している問題、自分の行動に対する動機がしっかり取れているかなど、自分の状態を常に把握していなければならない。

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以上がRothman氏が語った17の教訓の概要である。これとは別に、会場から「スタッフ側からマネージャに改善案を伝えるにはどうしたらいいか」という質問があった。これに対して同氏は、「『答えをもってきました!』という断定的な提示は絶対にしてはいけません。『こういうオプションがあると思いますがどうでしょう』というようにオプションを提案するのいいでしょう。このとき3つのオプションを提示できれば効果的だと思います」と答えている。

最後に同氏は、「マネージメントの能力は自ら学んでいくものであり、技術畑の人でも素晴らしいマネージャになれます。何が必要なのかを戦略的に考え、もし何か間違えた場合にもそれを認めて解決することが大切です」と語って講演を締めくくった。