NECフィールディング 執行役員 秋田裕生氏

 「これまでの生産革新活動の成果の集大成としてリペア本部を統合し、新たな体制で展開できるようになった。同じ拠点で修理が行えるため、輸送時間の削減やコスト削減が可能になり、修理リードタイムが62%も改善できた」(NECフィールディング・秋田裕生執行役員)

生産性向上による物流業務委託費削減、外部倉庫廃止による不動産賃借料の削減、修理内製化による原価低減、物流ネットワーク再構築による費用削減、ロジスティクスセンターとリペアセンターの統合などにより、2006年度に比べて約15%のコスト改善を達成しており、この効果は10数億円規模にも達しているという。

あるパーツ川崎では、引き続き生産革新活動を促進するという。「補給倉庫と部品修理工場の統合により機材グループの機能が川崎に一本化できた。部品の保管、輸送、修理の一元化による効率化の加速、全国倉庫への生産確信活動の展開や間接部門への適用によるプロセス改善にも取り組む」とする。

2010年度末には、修理リードタイムで20%の削減、棚卸資産では15%の削減、修理の生産性では15%向上などの目標を掲げるほか、「保管、輸送、修理の一元体制を活用したワンストップ・ロジスティクスをベースに、サードパーティーに展開する受託ビジネスを拡大していきたい」と、収益拡大への取り組みも加速する考えだ。

2階のリペアセンター。PCのマザーボードの修理を行っているところ。デスクトップPCとノートPCのラインが分かれている

修理に必要な部品のなかでもよく使用するものは棚の上に配備され、無くなるとみずすましが補給。作業者は修理に集中できるようにしている

ハードディスクの修理エリア。交換のほか、交換後不要になったハードディスクは磁気や穴あけによる消去も行われる。この部屋の入退出管理は最上位レベルで行われている

LCDの修理工程。偏光板などの張り替えなどを行うため、クリーンルーム化されている

3階の部品保管フロア。出し入れが激しいアクティブ品を在庫している

部品保管フロアは2層構造となっている

バーコードで照合した情報はすぐに無線LANを使用して転送される。倉庫内に配置されている無線LANポイント

一部の部品に採用しているカンバン方式。在庫削減とリードタイム短縮に寄与する

4階の部品保管フロア。動きが少ないスロー品の保管を行っており、在庫方法も保管効率を優先している

1階のトラックヤードの出荷作業エリア。各倉庫向けに箱が用意されている