このビジネスレディソリューションをすでに利用した中で、シンプルであり、リライアブルである好事例としてラージ・エンタープライズマーケティング ジャパン・マーケティング本部 ソリューション・マーケティング・マネージャの大植吉浩氏が挙げたのが、アクセルでの導入事例だ。
アクセルは従業員数60名程度の半導体集積回路及び半導体集積回路を組み込んだプリント基板の設計、製造、販売を主に行っている企業。デルの考える従業員数499名までというSMBの規模に当てはまる。
仮想化導入前にはラック内サーバが増加したことで、スペースの問題やサーバルーム内の温度上昇という問題と抱えていた。バックアップが複雑化しているためにシステム復元が長時間化し、RTOの改善が求められていた。保守切れや老朽化したサーバの運用リスクや、災害時における業務システムの継続運用の難しさも問題視されていたという。
これらを解決するためにデルが提供したのが、仮想化アセスメントサービスと、仮想化環境の設計・構築、ユーザー自身による仮想環境移行を実現するトレーニングなどだ。
また、Dell EquallLogicで標準提供されるASM/VE2.0を利用したディザスタリカバリ環境も提供され、災害時においても業務の継続が可能なシステム環境が提供された。 「19台のサーバはVMware ESX 3台で統合可能だと判断し、Dell EqualLogic PSシリーズとVMware vSphere4を組み合わせによってシンプルで運用が容易な仮想化環境を構築した。これらによって、仮想化によるラック空間コストと冷房コストの削減、End to Endの仮想化による容易なシステム拡張・復旧を考慮した構成が実現された」とソリューション・サービス・デリバリー本部 インフラストラクチャ・コンサルティング・サービス コンサルティング第1部 ソリューション・アーキテクトである堀之内道仁氏は語る。
「低価格でドライブするためのパッケージではなく、本当に使っていただける構成をパッケージしている。ストレージ、サーバ、ソフトウェア、サービスを含めたパッケージが基本となり、さらに小規模でスタートする『はじめての仮想化パッケージ』から大企業向けまでのラインアップを揃えている」と大植氏は語る。コンサルティングサービスにおいては、デルの仮想化ソリューション導入を目指す企業だけを対象とせず、すでに他社によって仮想化を実現した企業に対しての仮想化ヘルスチェック等も提供している。
また、情報提供も精力的に行われている。すでにアメリカでは発注までをサイトから行えるシステムが稼働している。日本ではビジネス文化としてなかなかオンラインでの発注は伸びないと予測されるが、構成情報や参考価格といった社内稟議を通すために必要となる情報等を充実させた上で、チャット等オンラインでのサポートも篤くするなど、ウェブサイトでの情報提供を充実させている。将来的にはエンジンの導入に合わせて発注システムも導入される可能性はあるという。
大企業ではすでに仮想化を超え、クラウドに向いている。しかしSMBの場合、まだ初めての仮想化に取り組む段階の企業も少なくない。「クラウドはまだ始まったばかりの技術で課題も多い。デルとして今後クラウドサービスも提供する予定はあるが、もう少し時間をかけて提供していきたいと考えている。SMBに対して効率化とシンプルな導入を実現できるこのソリューションは大きな力になる」とテオ氏はSMBの取り組みとして仮想化ソリューションを強化することの意義を力強く語った。