中堅・中小企業向けのビジネス(SMB)を、デルは25年以上にわたって提供してきている。そして、デルがSMB向けに新たに開発したソリューションが「Business Ready Solution(BRS)」だ。今回は、デル SMBサービス 日本アジア太平洋地域 ジェネラル・マネージャーのリチャード・テオ氏にBRSの特徴や狙いについて話を聞いた。
リチャード・テオ氏は、SMBの中でも、特に近年需要が高まっているのは仮想化だと語る。日本では大企業での仮想化導入事例が大きく先行しているが、多くの場合はTCOの削減や、複雑なシステムを仮想化することでの効率化を目的としている。しかし、テオ氏は「仮想化は、SMBの弱点を解決する強力な武器になる」と語る。
SMBの弱点とは、「リソースが限られている」「IT組織をもっていない」「ITリソースが小さいため、サーバのダウンタイムが売上減に直結してしまう」という3つの問題点だ。そして、これら3つの課題を解決するのが、「Business Ready Solution(BRS)」というわけだ。
BRSでは、サーバやストレージといったハードウェアに、仮想化やマネージメントソフトウェア、仮想化への移行するための計画を支援するガイダンスやコンサルティングをパッケージとして提供する。
これにより、IT組織を持たないSMBでも、短期間での仮想化の導入が可能となる。テオ氏は「SMBは、大企業のように長期の予測が立てづらいので、短期で効果が出ることが重要」と、短納期の重要性を指摘する。
ダウンタイムが許されないという問題を解決する信頼性の面では、予めパターン化されたシステム構成を決め、動作を検証してから出荷するほか、ソフトウェアパートナーと話し合いを行い、ハードウェアとソフトウェアのインタフェース上の問題が起こならないよう設計面でも考慮しているという。
仮想化サービス提供にあたってのアプローチも独特だ。デルでは「WADI」と呼ばれるコンサルティングサービスを採用している。これは、Workshop(打合わせ)、Assessment(評価)、Design(デザイン)、Implement(実装)という4つのプロセスの略だ。これらについてテオ氏は「デル自身が仮想化を実施してきた中での経験を元にして、独自にツール開発を行った。経験がぎっしり詰まったアプローチで、モジュラー制のシステムにすることで必要な部分だけを購入していただくことも可能になっている」と語る。
導入期間の短縮も図られており、Workshopは半日から2日程度で終了することができるほか、Assess、Design、Implementの各フェーズもそれぞれ1-6週間程度で終了できるようになっているという。