フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンで代表取締役社長をつとめる高橋恒雄氏。米国Freescale Semiconductorの上席副社長を兼務する

それからフリースケール・セミコンダクタ・ジャパンで代表取締役社長をつとめる高橋恒雄氏が登壇し、日本国内および関西地方におけるフリースケールの販促活動を説明した。

フリースケールはこれまでにも、販売代理店と協力して地方の半導体ユーザーをサポートする拠点を設けてきた。2008年には半導体商社の丸文と協力して、宇都宮姫路に車載用半導体の技術サポート拠点を設けている。今回の東京エレクトロン デバイスとの協業は、丸文との協力関係に続くものだ。

また関西地区のGNPは、大阪府と京都府、奈良県、兵庫県を合計するとベルギーおよびスウェーデンを超え、世界の国別に換算すると第16位に相当するという。それだけ、大規模な売上高が見込める市場だということだ。そこで2006年4月にフリースケールは、関西地区の売上高を3倍に増やすことを決め、家電向け事業の強化や自動車向け技術支援体制の強化、代理店との協業を進めた。そして2009年の関西地区の売上高は2006年の約4倍に成長したという。今後は、3年後に売上高を2倍に増やすことを目指す。

このためにフリースケールはウエスト・ラボで、フリースケールの有するZigBeeやRF4CE、コンティニュア規格の専門知識に基づく技術支援と、Power Architechtureプロセッサおよびi.MXプロセッサのプラットフォームを提供していく。

関西地区の重要性とフリースケールの取り組み

ウエスト・ラボに対するフリースケールの協力内容

フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン技術本部のジェネラルマネージャーをつとめる友眞衛氏

続いてフリースケール・セミコンダクタ・ジャパン技術本部のジェネラルマネージャーをつとめる友眞衛氏が、ウエスト・ラボが支援する具体的な応用事例を解説した。デジタル家電の開発では、さまざまな無線通信規格に準じたネットワークの相互接続性と妨害信号耐性の測定を支援する。健康福祉機器では、健康管理機器と情報通信機器を接続する標準規格「コンティニュア・ヘルス・アライアンス」に準ずる機器の相互接続試験を実施したり、相互接続性が保証された開発キットを供給したりする。またフリースケール製マイクロプロセッサのプラットフォームを提供する。

報道機関向けの説明会では、2.4GHz帯を利用するRF4CE準拠のRFリモコンと電子レンジをならべ、電子レンジの動作によって2.4GHz帯に妨害波雑音が入る様子をスペクトラム・アナライザで示していた。電子レンジを動作させても、RF4CE準拠のRFリモコンはデジタル信号を正常に送受信できていた。

デジタル家電用RFリモコンの相互接続性試験や妨害信号耐性測定などを支援

ネットワーク機能を備えた健康管理機器の相互接続性試験などを支援

マイクロプロセッサを搭載したプラットフォームの提供

RFリモコンの送受信中に電子レンジの妨害波を与えるデモンストレーション

デモンストレーションのセットアップ。左端が電子レンジ。中央がRFリモコンの送受信状態をモニタするノートPC。右端がスペクトラム・アナライザ。スペクトラム・アナライザの右手前にRF4CE準拠のRF送受信モジュール(2枚の小さなボード)が配置してある

電子レンジが動作していないとき。RFリモコンの送受信信号がピークを形成している

電子レンジを動かしたとき。電子レンジによる妨害波形雑音が現れている