ソフトバンクテレコムは10月15日、ビジネスシーンにおけるiPhone活用事例を紹介する発表会を開催した。本稿では、そこで紹介された事例の中から医療分野の2例を取り上げてお伝えしよう。
検査画像の閲覧をiPhoneで - J-MAC
iPhoneは医療分野において活発に利用されはじめているという。その最たる例が、ジェイマックシステムが提供する、DICOM画像ワークステーション「VOX-BASE II」とiPhoneの連携ソリューションである。
VOX-BASE IIは、フィルムレスでの画像診断を支援するワークステーションシステム。専用端末のみならず、個人のPCからもアクセスすることが可能で、緊急時に自宅から検査画像を閲覧するといったこともできる。
ジェイマックシステムでは、そのVOX-BASE IIにiPhone対応を施した。具体的には、検査画像をPDF化し、それをメールに添付して送信する機能を追加している。
iPhoneを端末として利用できるようにしたことで、PCのように長々と起動を待つ必要がなくなったうえ、どこにいても過去の診断結果が確認できるようになり、救急救命処置の迅速化や医師の出勤負担軽減につながっている。
イーサイトヘルスケア 代表取締役の松尾義朋氏 |
画像診断医という立場から同システムの有効性を共同研究しているイーサイトヘルスケア 代表取締役の松尾義朋氏は、iPhone活用の話を聞いた当初、画質の面で不安を覚えたという。
「iPhoneは利便性やコストという面でのメリットは申し分ない。しかし、診断に耐えうる画質を確保できるのかどうかは疑問があった」
そこで氏らは、実際に全国4ヶ所の病院で試験運用を実施した。結果は上々で、「拡大縮小をうまく活用することで問題なく読影できることが確認できた」(松尾氏)という。常にノートPCを持ち歩いていた医師からは「大きな負担減になった」との声も挙がり、実用性の高いソリューションであることを証明した。