複合的なインタラクティブ性とリアルタイム性の向こうに見えるモノは?
本イベントでは、何よりも参加者も登壇者もお互いに、iPhoneでTwitterをやっている光景が印象的だった。Twitter上では、「ハッシュタグ」(#マークによるタグ付け)という機能を使って、発言をグルーピング化できる仕組みがあるのだが、#twn3に集まったTimeLineを見ながら、あるいは書き込みながら、リアルイベントに参加していたのである。
また、当日は、セミナーやイベントに出向いてWeb上で生中継を行っている「ケツダンポトフ(ソラノート運営)」のそらのさんが、イベントの様子をライブ配信していた。常時300人以上の閲覧があったようだが、この閲覧者たちもまたライブを見ながらTwitterを使ってリアルタイムで意見を述べていた。
「ケツダンポトフ」の@ksoranoさんがイベントをリアルタイム中継。画面左に投影されているのがWeb上での配信の様子。Twitter上で取材依頼や配信開始などを呟き、Twitterを融合させたライブ配信企画を行っている。亀井静香氏の金融庁の記者会見のインターネット生放送交渉中(10月9日現在)。「ケツダンポトフ」が媒体と認められれば記者登録が行われるのだがどうなるか |
この会場とWebライブ配信の融合に加え、登壇者と聞き手という立場を超えられる意見のアップロード、舞台裏を同時に見せることができる"場"がTwitterのユニークさである。この複合的なインタラクティブ性とリアルタイム性が生み出すものが、Twitterを軸にした新しいメディアの形であるのかも知れない。
しかし、今後一般の人たちへの広がりがどれ程進むのかといった点では、そのメディア像は、まだはっきりとは見えてこない。
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講演終了後に参加者たちからヒアリングを行った中から、何かヒントになりそうないくつかのコメントも最後に紹介しておこう。
「最初はバズマーケティングの一つとして去年から始めた。半分はプライベートだが、半分会社の人間としてやっているのは事実。企業のマーケティングや広報活動に利用する動きが出ているが、Twitterは、使い込んでフォロワーを増やしていかないとわからない部分が多いと感じている。私自身は、プライベートも切り売りをしている部分も多いけれど、一部の人たちは、どこの会社で働いているのを知っているし、その辺は意識もしながらやっている」──@BuzzTumさん
「会社ではTwitter、mixiとすべてのSNSへのアクセスが禁止となっている。だから完全にプライベートアカウントで日中はiPhoneやイー・モバイルなどを利用して見ている。仕事に関係する情報がRSSよりも早く入ってくるので活用しているのだが、情報収集の目的としてTwitterを使うからと言っても、一般企業が認めるという動きにはまだまだなっていかないとは感じている」──大手国内メーカー、マーケティング担当者
「女性の参入がカギだと思う。女性率が低く、今参加しているのも新しいものに抵抗なく飛びつけるタイプの人で、そういう人は一定の枠内にいる人だけ。私のマイミクはTwitterには全く興味ないがミクシーボイスは、やっている。お友達がやっているから私もやってみようというところまでならないと広がらないという感じがある。今はまだ出たがりのメディアでしかないのかも?そこを飛び越えないとなのだけれど、だから今が面白いのかも知れない」──@shumaiさん。
そんな@shumaiさんは、自身のブログに「リア友ゼロからTwitterを始めた私が1000人からフォローされるまでの道のり」というエントリを記載している。
「海外では、知らない人に間違ってメッセージを送っても、それがきっかけで友達になっちゃうみたいなところがあるけれど、日本では先に警戒心が出てきてしまうところがある。Twitterの使い方も違うなと感じていて、例えば日本だと名前も出さないし写真も出さない。日本では特に女性にとっては怖いというイメージもある。その辺がバランスよくクリアできて、ソーシャルなつながりを持つための気軽なツールとなれば、Twitterならではのまとまりやすさと即効力が活かされるのではないか」──@lhugaさん。
@lhugaさんは、英ロンドン在住中に女性が年齢や職種の垣根を越えて科学やテクノロジーについてざっくばらんに話し合ったり、一緒に疑問解決を行ったりするコミュニティ「Girl Geek Dinners」に出会い、感化されて、日本でもブログとTwitterで呼びかけ「第1回東京ガールギークディナー」をこの6月に開いた。最近では、パブに出かけてビールを飲みながらiPhoneを使ったリアルタイムPodcastを行い、それをそのままTwitterにフィードするというTwitterならではの"ゆるい"情報発信も行っている。
「ライフスタイルセッション」と題して行われた第2部は、ヤフーショッピングの公式Twitterアカウントの"中の人"や"Twitter議員"の参議院議員・民主党青年局長 藤末健三氏や相模原市議の阿部よしひろ氏なども参加した |