動物と戯れながら楽しむ2日目
「SPECTACLE IN THE FARM」2日目は、シアタープロダクツのファッションショー「スペクタクル・イン・ザ・ファーム」(那須どうぶつ王国)でスタート。
まずは女性3名による覆面パフォーマンスユニット・KATHYが馬車に乗って登場すると、舞台の上にお茶会の準備を始め、そこにアルパカや羊、タイニーポニーを連れたモデルたちがシアタープロダクツの衣装をまとい寄り集まるというストーリー。音楽に合わせて踊るKATHYとモデルたち、そしてそこに花を添える動物たちの愛らしい姿に、客席からは終始、笑顔と歓声があふれていた。giraffeのネクタイをつけたアヒルやお茶会のゲストを祝うように上空を旋回する青い鳥、そして押し寄せる羊の大群を華麗にカートに押し込むシープドッグと、次々に展開する動物たちのショーは、シアタープロダクツのファッションショーと見事に絡み合い、魅せてなお楽しませる、すばらしいパフォーマンスとなった。
続くセッションは、舞台をりんどう湖ファミリー牧場 ヒーローステージに移しての「秋のヒーローステージライブ on stage」。
小雨がぱらつく中、まずは七尾旅人が雨が上がるようにと電気グルーヴ「虹」をカバー。「airplane」「プラネタリウム」に続いては、「星に願いを」を語りかけるように歌うと、会場はやさしいムードに包まれた。
ゲストミュージシャンとして石橋英子が加わると、徐々にテンションはあがり、「Rollin' Rollin'」では、客席からオオルタイチを呼び寄せて即興コラボレーション。客席からのリクエストに応えて、「萌の歯」「息をのんで」を歌うなど、ライブパフォーマンスの高さでは定評のある七尾旅人らしい、セッションになった。
この後、快快(faifai)がデートからセックスにいたる男女の心情をコミカルに描いた「せっせハキハキ」を渋谷バージョンと宇都宮バージョンで演じ、浅野達彦グループによるダイナミックなギタープレイでこのセッションの幕を閉じた。
イベントの最後を飾るのは、阿部海太郎による演奏会。雨天のため、会場を当初予定していた二期倶楽部・七石舞台から室内のホールに移して行なわれた。オーボエとグロッケンスピール(鉄琴)、パーカションとともに、ときにピアノをヴァイオリンに持ち替えて13曲を演奏。繊細で包容力のある調べは木々の中に佇む静かな会場にやさしく響き渡り、聴衆はその旋律に聴き入っていた。
2日間にわたって開催された「SPECTACLE IN THE FARM」は、新しい才能が濃密に楽しめる充実の内容。各地の会場を回ることで、那須そのものを満喫できるというのも、このイベントならではの特徴だろう。参加者だけでなく、地域にとっても、アーティストにとっても、「SPECTACLE IN THE FARM」はまさに夢のようなスペクタクルを与えてくれたイベント。次の展開を期待して待ちたい。