続いて再びKevin Lynch氏が登壇し、Adobeが提供する製品群の最新動向を紹介した。下の写真に示されているように同社の製品群のカバー範囲は非常に多岐に渡るが、今回の目玉はなんといっても同日に発表されたばかりの「Flash Player 10.1」によるモバイル機器対応だろう。Flash Player 10.1はOpen Screen Projectの成果物として初めてモバイル機器までを一貫してカバーしたランタイムにあたるもので、PC向けに作られたものとまったく同じコンテンツをそのままスマートフォンの上で動作させることができる。
Lynch氏によれば、Flash Playerのモバイル機器対応実現のためにパフォーマンスやメモリ消費量、電力消費量などさまざまな部分で大幅な改善が行われたとのこと。したがってFlash Player 10.1からはバージョン番号では0.1の差に過ぎないが、そのパフォーマンスは格段に向上している。もちろん、モバイル機器だけでなくPCや大画面ディスプレイ、あるいはストリーミングでの高品質動画の再生においてもそのパフォーマンスは大きく活きてくる。
Flash Player 10.1はWindows MobileおよびPalm webOS向けパブリックベータ版の公開が年内、Google AndroidおよびSymbian OS向けが2010年前半の予定となっているが、セッションでは一足早くこれらの機器で動作するFlash Player 10.1のデモが行われた。
Flash Playerにあわせ、Flash技術をベースとしたAIRプラットフォームも進化する。AIR 2.0ではネイティブ環境への対応がさらに進められ、ネイティブインストーラやネイティブアプリケーションの起動などがサポートされた。またUSBストレージデバイスへのアクセスがサポートされており、USBメモリから動画ファイルを読み込んで再生するデモなどが公開された。その他にパフォーマンスの向上やサーバソケットのサポート、UDPのサポートなどが主な変更点となる。