マイクロソフトは9月8日、パートナー向けのイベント「マイクロソフト パートナーコンファレンス 2009」を都内ホテルで開催、より専門性を強めていく方針を打ち出した。

マイクロソフト 代表執行役社長 樋口泰行氏

冒頭挨拶に立った代表執行役社長 樋口泰行氏は、2010年を飛躍の年と位置付け、外的環境の変化に対応、社内の内部進化を推進、パートナー連携を強化、新製品の市場投入という4つの経営方針で事業を行っていくことを説明した。これは、7月に行われた経営方針説明会で披露されたものだが、今回パートナーに改めて説明された。

外的環境ついて樋口氏は、「これまでお客様は、コストダウンにより決算を乗り切ろうとされていたが、最近は長期的な視点で、戦略的な投資へ少しづつ向かいつつある」と、企業のIT投資意欲が回復しつつあることを指摘。そして「パートナー連携はマイクロソフトの基本中の基本。企画部門だけでなく、現場レベルでも連携していきたい」と述べ、パートナーとの連携強化を訴えた。

パートナープログラムをリニューアル

マイクロソフト パートナービジネス営業統括本部 執行役員 統括本部長 高橋慎介氏

マイクロソフト パートナービジネス営業統括本部 執行役員 統括本部長 高橋慎介氏は、マイクロソフト製品の優位性について、Windows Server 2008には仮想化機能が含まれており、SQL ServerにはBIツールが含まれるなど、別途ソフト購入することなく仮想化、BIが実現でき、コストメリットがある点を強調、VMwareとのコスト比較では、Hyper-Vのコストが3分の1になるとした。

VMwareとHyper-Vのコスト比較

また高橋氏は、これまで80万ユーザーがノーツからExchenge Serverに移行しており、今後もノーツからの移行を推し進める考えを示した。そして、具体的な移行パターンを示しながら、ノーツ R6.5のサポートが切れる2010年4月が大きなチャンスだとした。

パートナー向けの支援策では、マイクロソフトは今後2年間で現在の「マイクロソフト パートナー プログラム」から「マイクロソフト パートナー ネットワーク」に移行していく予定だという。これは、市場、パートナーの二―ズ、ユーザーニーズなど、ビジネス環境が変化したためだという。

パートナープログラムをリニューアル

そしてこの移行には、専門性の強化、ゴールドパートナーの要件にお客様満足度という指標を採用、パートナーネットワークの強化という3つの狙いがあるという。

3つの変更点

高橋氏は専門性の強化の目的は、単体製品からソリューションに切り口を大きく変えていくためであり、そのためには、ソリューションの専門性や製品のスキルを高めていく必要があると説明。今後は、マイクロソフト コンピテンシーによる協業ビジネス、マーケティングの推進に集中投資していくという。

マイクロソフト コンピテンシーは、マイクロソフトのパートナー向けのプログラムの1つで、パートナーの得意分野が定義される。これによりパートナーは自社の得意分野を顧客にアピールすることができ、マイクロソフトからは、そのための支援策が提供される。現在のところ、ネットワーク環境構築、セキュリティ、モバイルソリューション、仮想化など17種類が定義されており、MCP取得者2名、顧客事例3件という条件により登録できる。

マイクロソフト コンピテンシー

高橋氏は「マイクロソフト製品はバニラアイスクリームのようなもの。パートナーさんの得意なソリューションであるドッピングで差別化を図っていく」と語る。

パートナーの支援策としては、今年度は、これまでのほぼ倍にあたる150のオンラインセミナーの提供、キャンペーン・リソース、提案書のひな形など、営業ツールをWebで提供、マイクロソフトが顧客リスト、場所、講師を提供する協業セミナーの開催、商談・案件支援をエキスパートが対応するシステム提案支援サービス、「Services Ready」プログラムの提供などを行うという。