モバイル端末での挑戦

続いてHerrod氏は、同社のモバイル分野における取り組みについて触れた。

氏はまず、モバイル分野の戦略の柱として「Phone as a thin client」「Manage the datacenter from your phone」「Virtualizing the mobile phone itself」という3つを推進していることを説明。モバイル端末を重要なコンピューティングデバイスとして認識していることを明かした。

上記3つの柱のうち、特に強調されたのが3点目のモバイル端末の仮想化だ。具体的な製品として、今年7月に日本でもアナウンスされた「VMware MVP(Mobile Virtualization Platform)」に触れ、Windows Mobile端末上でAndroidのアプリケーションが動作する様子を実際のデモで披露した。

デモで使用されたWindows Mobile端末

Androidが並存しており、同OS向けのアプリケーションを呼び出せる

Herrod氏は、VMware MVPの特に大きな導入効果として「セキュリティや利用料金按分の都合で、プライベート用端末と仕事用端末の2台を持ち歩いている方が多いが、その煩雑さを解消できる」と説明。「OSレベルで分離できるため、プライベート利用を兼ねる端末から業務アプリケーションや社外秘情報にアクセスする場合にも安心して利用できる」(Herrod氏)とコメントした。

高度な仮想化管理を実現するvSphere/vCenter

そのほか、Herrod氏は、仮想化プラットフォームとして大幅な進化を遂げた「VMware vSphere」「VMware vCenter」などの話題を改めて紹介。

VMware vSphereが、1VMあたり8CPU、256GBメモリに対応、30Gb/s、35000IOPSを実現していることや、同プラットフォームに組み込まれる「VMware DRS(Distributed Resource Scheduler)」「VMware DPM(Distributed Power Management)」により仮想マシンを動的に配置し、物理サーバの稼動台数を減らして電力消費量を削減できることなどを説明したほか、来年上半期のリリースが予定されている「VMware vCenter ConfigControl」により、仮想環境を監視し、障害発生時にアラートを表示したり、問題発生箇所をビジュアルな画面で特定したりできることが解説された。

VMwre vSphere 4は大規模システムの仮想化にも対応可能

VMware DPMは、必要な物理サーバ台数を算出し、物理サーバを減らせると判断した場合には、仮想マシンを自動的に移動させて、物理サーバを休眠されるといったことが可能

VMware vCenter ConfigControlのデモ(1)。Exchange Serverがダウンしている旨を伝えるメッセージがVMware vCenter ConfigControlから管理者の下に送られている

VMware vCenter ConfigControlのデモ(2)。ビジュアルな画面から問題発生箇所を特定することができる