保険薬局業におけるコンサルティング業務を行うネグジット総研では、2008年12月よりフィードパスのSaaS型データベース「サイボウズ デヂエ for SaaS」をベースとした、独自の保険薬局経営支援システム「PharmacyDB powered by サイボウズ デヂエ」を販売している。これは、年々厳しさを増す保険薬局の経営に対するソリューションだ。
今の保険薬局には明確なマネジメント意識が必要
ネグジット総研は、企業および医業経営の総合コンサルティング企業だ。メインとなる経営支援に加えて、調剤薬局レセプトシステム「調剤くん」をはじめとしたソフトウェアの開発・販売、さらには薬剤師に対するアンケート調査事業なども実施する。
経営コンサルティング事業部 マネージャーの山下善史氏は、現在の保険薬局を取り巻く環境について「10数年のうちに大きく成長を遂げた業界ですが、最近ではかなり厳しい状況になっています」と語る。
これは調剤報酬改定に起因する利益率の低下に加え、急速な医薬分業による薬剤師不足が生んだ人件費の高騰、そして医療費負担の増加による患者の受診抑制などが経営に大きく影響しているためだ。
また「後発医薬品へ変更してほしい」「プライバシーへの配慮に欠けている」「薬ごとに金額を明確化できないのか」「薬に対する説明時間や説明文書がムダ」といった、多様化する患者の意識変化に対応しきれていないのも問題だ。
さらに、2012年の診療報酬改定では後発医薬品を数量ベースで30%台に乗せる構想もあり、保険薬局は改善すべき課題が多い。
確かに従来の保険薬局業界は、店舗を出店すれば利益が確保しやすい市場だった。しかし、こうした厳しい市場へと状況が一変した今、生き残りをかけて患者に選んでもらえる保険薬局へと進化する必要が出てきたわけだ。
患者から選ばれる保険薬局を目指す上でのポイントについて山下氏は、「今まで各店舗の薬局長に「店を管理しよう」「収益を上げよう」「経費を抑えよう」といった意識がなくても、経営が成り立っていました。しかし今後は、薬局長が明確なマネジメント意識を持つことが重要です」と語る。
これはチェーン展開をしている一般企業にも当てはまることだが、本部からの経営管理だけではどうしても限界が生じてくる。そこで、店舗レベルでの意識改革を促進すべく、ネグジット総研が2008年12月より販売を開始したのが保険薬局経営支援システム「PharmacyDB powered by サイボウズ デヂエ(以下、PharmacyDB)」だ。