引き続きSchwartz氏がプレゼンターを務めながら話題はJavaFXに移る。JavaFXが鳴り物入りで登場したのは2年前のJavaOneでのことだ。RIAプラットフォームとしてはその時点ですでにAdobe AIRなどの競合技術に遅れを取っていたが、その後、お世辞にも躍進したとは言えないまま今に至っている。しかし今年のJavaOneでもタイトルに「JavaFX」の文字を含むセッションだけで70近くが予定されており、それだけ開発者の感心が高く、またSunも力を入れているということがわかる。
JavaFX TVプレビュー版リリース
この日、同社のJavaFX TV ArchitectであるRonan McBrien氏によって表されたのは「JavaFX TV」プレビュー版のリリースだ。JavaFX TVはテレビ用インタフェースを開発するためのJavaFX実装であり、McBrien氏は実際にテレビの映像を流すデモンストレーションによってJavaFX TVでインタラクティブなテレビインタフェースが開発できることを示した。
JavaFX用のオーサリングツールを発表
JavaFX PlatformにおけるDirector of Engineeringを務めるNandimi Ramani氏からは、JavaFX開発者をサポートする新しいツールとしてJavaFX向けのオーサリングツール「JavaFX Design Tool」が発表された。これまでJavaFX開発者にとっての一番の不満は、他のRIAプラットフォームのように十分な能力を持ったオーサリングツールが存在しないことであった。Ramani氏によって紹介されたのはJavaFX向けのGUIベースのオーサリングツールであり、マウス操作だけでDVDプレイヤーのメニュー画面を構築する様子がデモンストレーションされた。
もしこのツールが正式に製品化されれば、JavaFXにとって大きなターニングポイントになるかもしれない。ただし具体的なリリースの時期については、「年内が目標」ということで具体的な発表はされていない。
JavaFX 12.リリース
その他、この日JavaFXの新バージョンとしてJavaFX 1.2がリリースされている。キーノートセッションでは新機能などについては言及されなかったが、主なものとしては次のような機能が挙げられる。
- Swingに依存しないUIコントロール
- 新しいレイアウトの追加
- RSS/Atomフィードのサポート
- ローカルストレージのサポート
- 非同期プロセッシングモデルの改善
- Javaの配列オブジェクトに対する直接参照のサポート
- チャート作成機能の追加
JavaFX 1.2 SDKはjavafx.comよりダウンロードできる。もちろん、NetBeans IDE for JavaFXもすでに1.2に対応している。