マップにおけるコンテクスト

UrbanmappingのBrandon Martin-Anderson氏

市街地地図や交通地図などの元となる地図用データを提供するUrbanmappingのBrandon Martin-Anderson氏は「四次元世界のマップ」という講演を行った。時間と共に変化するデータをマップに重ねることで、マップが四次元世界の写し鏡になる。例えば選挙速報マップ、地域別の失業率の変化などだ。これらは選挙戦における各党の勢いや景気などをマップを通じて浮き彫りにする。ほかにも公共交通機関を使って、45分で移動できる範囲の時間ごとの変化を示したマップが示された。通勤ラッシュ時、昼間、深夜で違った雰囲気になる街の変化が伝わってくる。このような範囲・距離と時間を組み合わせたデータを基に、同社は公共交通機関のルーティング・エンジン「Graphserver」を開発している。

2008年3月は全米で職を得た人(青)が目立つ。ただしデトロイト周辺にはすでに不況の影も

2009年2月は全米の主要都市が真っ赤(失業者)

ピンが打たれている場所から公共交通機関を使って45分で到達できる範囲を示すマップ。午前6時は道が空いているものの稼働している交通機関が少ない

午後1時。道は混雑しているものの稼働している交通機関が多いため、到達範囲が広がる

午前3時。稼働している交通機関がほとんどないため到達範囲は非常に狭い

時間と到達距離を立体的に表現

地理情報や空間、時間など、マップは様々な情報を伝える。最後に紹介するCartifact Mapsは、様々な角度からマップを閲覧できるオンラインマップだ。ニューヨークのマップが追加された最新のBeta v1.1では過去のマップ、3Dマップ、Googleマップ、衛星写真など、複数のレイヤをレンズツールを通じて簡単に切り替えられる。

ニューヨークのCartifactマップ上でレンズツールを使い、3Dオブジェクトでマジソスクエアガーデンを確認

レンズツールを使って現在と1880年のロサンゼルス・ダウンタウンを比較。自動車時代が到来する前のロサンゼルスに高速道路は存在しない