今年のWhere 2.0は景気減速や新型インフルエンザの影響から、昨年よりも参加者数が大幅に減少した。主催のO'Reillyにとっては厳しい年になったものの、講演やデモ・セッションが削減されることはなく、内容的には例年通りの盛り上がりだった。最後に写真を中心にショート・セッションの様子を紹介する。

NokiaのMichael Halbherr氏(左)とNokia gate5 GmbHのChristof Hellmis氏

Nokiaは、Ovi Mapsプラットフォームでサードパーティのマップ・アプリケーション作成をサポートする「Ovi Maps Player API」について語った。

同APIを通じて、サードパーティはそれぞれのデータをオーバーレイしてカスタマイズしたJavaScriptベースのOviマップをWebサイトに埋め込める。Ovi Mapsプラットフォームに従ったこれらのマップ・アプリはモバイルデバイスとWebの間でコンテンツを共有できる。

Web(PC)とスマートフォンがコンテンツを共有できるOvi Mapsプラットフォーム。その特長はOvi Maps Player APIにも反映される

サードパーティは、Ovi Storeでのアプリ販売のほか、マップ・アプリを通じてリアルなショップやビジネスにユーザーを誘導したり、マップ内広告など様々な方法で収益を上げられる。

アプリ・ストアではAppleに大きな差をつけられているNokiaだが、携帯電話シェアではトップであり、自身でマップ・プラットフォームを運営するという戦略上の武器を持つ。それらのメリットを活かしてモバイルアプリ市場での巻き返しを図る。

Ovi Mapsもアップデート。高解像度の衛星画像と地形マップ、200都市以上での3Dランドマーク、ナビゲーション・コントロールなどが強化された

SkyhookのWPSがLokiをサポート

Skyhook Wireless共同設立者のTed Morgan氏

Wi-Fiネットワークからユーザーの位置を特定するWi-Fi Positioning System (WPS)を提供しているSkyhook Wirelessは「Lokiプラグイン」を発表した。MapQuest、Flickr、WeatherBugなどLokiが統合されたサービスで、Wi-Fi搭載デバイスの自動ポジショニングが可能になる。

米国においてWPSの価値がエンドユーザーに浸透するきっかけはiPhoneアプリだったという。講演では、以下のようなロケーションを活用したiPhoneアプリが紹介された。

  • Trulia : 近くで売りに出されている家屋やオープンハウスを見つけられる。

  • Taxi Magic : ワンタップで近くのタクシー会社からタクシーを呼べる。支払いにも対応する。

  • Last Call : 飲酒をトラッキングし、どこで止めておくべきかをアドバイスしてくれる。ロケーションを基に近くのタクシー会社(または弁護士)に連絡する機能あり。

  • Geocade : ソーシャルゲーミング・ネットワーク。ロケーションを基に対応ゲームのリーダーランキングをリストする。

  • License Plate Game : 米国の各州でデザインが異なるライセンスプレートをドライブ旅行中に見つけていくゲーム。各州の州都からの距離を計測できるなど、様々な角度から楽しめる。

  • UFO Hunter : ロケーションを基に過去40年のUFO目撃情報を検索。

ロケーション・ベースのモバイル・アプリの伸び

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